茂木健一郎:
あの、僕が今日、ここに来た理由はたったひとつなんですよ。山本太郎さんね、「あなたを幸せにしたい」って言ってるでしょ? これね、大事なんですけど、僕はね、「あなたを元気にしたい」ってこと言ってるんだと思うんですよ。
皆さんちょっとここで質問です。日本ってね、他人のことをこんなに揶揄(やゆ)したり、引きずり下ろそうとしたりする人ばっかりの国だったっけ? 違うよね。日本ってこんなにお隣の国のことの悪口言ったりとか、いろいろ意地悪するような国だったっけ? もっと優しい国じゃないですか? 我々。十人十色(じゅうにんといろ)。なんで今、優しくなれないんですか? 何でですか? ひとりひとりが大事にされてないからじゃないですか? ひとりひとりが大事にされてないから、他人に優しくできないんじゃないんですか?
幸福ってのはさ、脳科学的に言うと、「幸せ」っていうのは自分がたっぷり受け止めて初めて人に与えられるんですよ。今ね、僕んとこにメール来ますよ。進学して勉強したいんだけど、家庭の事情で進学できないんだとかね。あと、大学に行くんだけど、将来、職があるかどうかわかんない。こんなに奨学金がたまっちゃってる。今ね、子どもたちの笑顔もっと見たいじゃないですか? だけど、皆んなね、必死なんだよ。それを永田町の先生方わかってんのかな? だって、老後にこれだけお金が要りますって。それと同じお金をホテルのバーで使ってる先生がいるんでしょ?
僕ね、難しいことはわかりません。山本太郎さんが今回ね、出してるメッセージは「日本人を元気にするために、そして日本人をもっと、本来の日本の、優しくて他人に思いやりがあって多様性を大事にする国にするために、まずはひとりひとりを大事にしましょう」と。このメッセージだと思うんですよ。「ひとりひとりを大事にしましょう」と、このメッセージだと思うんですよ。これ素晴らしくないですか? そして、皆さん、僕もね、いろいろメディアで仕事してきた人間ですよ。僕、思ってます。さっきから。山本太郎が出ない時間が長すぎる。呼びます。山本太郎さん、来てくださいよ。太郎、ちょっと来て。僕はね、いろんなところでインタビューするのが得意なんで、これから残された、僕の持ち時間の残りを使って、太郎、太郎、太郎、あ、来た。
山本太郎:
すいません。茂木さん、珍しすぎませんか? こういう展開。
茂木健一郎:
いいの。
山本太郎:
ふつう、選挙の応援演説で途中質問タイム、クエスチョンタイムとか。
茂木健一郎:
だって、皆んなが聞きたいと思ってること聞きますよ。
山本太郎:
あ、どうぞ、聞いてください。
茂木健一郎:
僕ね、太郎さん。 僕は太郎さんの人柄、知ってるんですけど、世間の人は「太郎さん、極端な人だ。変なことする人だ」って思われてるですけど、その辺りどうですか?
山本太郎:
まあ、一部正解です。じゃなかったら、こんなひとりで旗揚げして、皆さんからのご寄附をいただいて選挙するなんてことしませんよね。
茂木健一郎:
いや、だけど、僕は太郎さん知ってるんですけど、人の話ちゃんと聞くんですよ。この人。あとね、本当に立場が違う人とか、意見が違う人に対しても、太郎さん、ちゃんと、ほら、今も気遣いしてるでしょう? こうやって。すごくない? この、「気遣いができる、バランスのいい山本太郎」ってのを、もっと知って欲しいですね。
山本太郎:
ありがとうございます。本当に。
茂木健一郎:
あとね、太郎さん、これも聞きにくい事を聞いちゃいますよ。
山本太郎:
聞いてください。
茂木健一郎:
今回、正直、比例の3位、これの作戦、失敗したと思ってます?
山本太郎:
あの、これ、ご存じない方もいらっしゃると思うんですけど、山本太郎、東京選挙区から6年前に出たんですが、今回は東京選挙区ではなく比例代表。全国で「山本太郎」って書いてもらうパターンにしたんですが。
茂木健一郎:
3位というか、特定のね、お二人がいらっしゃるんで。
山本太郎:
これ、多分、「特定枠」っていうのが、今回の選挙からできて、今までは得票数が多い人が比例代表のグループの中から先に国会議員になっていくというのが。
茂木健一郎:
そうすると、受かっちゃうもんね。
山本太郎:
で、今回は特定枠、票数が少なくても特定枠から先に国会議員になっていくっていうのを、うちでも採用したんですよ。
茂木健一郎:
でもこれ確か350万(票)とかとらないとダメなんでしょ?
山本太郎:
そうですね。ALSの方。重度障がいの方。で、山本太郎はこの2人が先に国会行った後じゃないと国会議員になれない。
茂木健一郎:
で、で、僕、いろんな選挙のプロの人に聞きました。「作戦として失敗したんじゃないか」という人もいるんだけど、どうですか? そのあたり。
山本太郎:
いやいや、あのね、これはね、これまでに、これまでの選挙であったりとか、そういうものを考えると、かなり自分たちでハードルを上げたっていうことだと思います。でも、もともと、私は自分の1議席だけを守るために政治なんてやりたくないんですよ。
茂木健一郎:
そうですか。素晴らしいですね。
山本太郎:
いや、じゃなかったら、いつまででも「ひとり」じゃないですか? いつまででもガス抜きをし続ける、変わった奴になっちゃうじゃないですか。だから国会の中に複数人、空気を読まずに最後まで抗う、皆さんのための国会議員を作るためには、これ、皆んなで一緒に拡げていかないとできないよ、ってことなんですよ。
これは賭けてるんです、私。イチかバチかの賭けですよ。皆んなを信じてる。力貸して欲しい、ってことです。
茂木健一郎:
じゃ受かるつもりなんですね?
山本太郎:
当たり前じゃないですか。連れて行ってください。特定枠2人だけじゃなくて、山本太郎だけじゃなくて、124議席を争う戦いなんだから、れいわ新選組、10人を、連れて行って欲しいんですよ。1千万票超え。
茂木健一郎:
太郎さん、あとね、ふたつだけ質問させてください。なんかあそこにね。なぜか原一男監督がいるんですけどね。これ言っちゃって良かったのかな。「ゆきゆきて、神軍」の監督ですね。これは何か企んでますね。だけど、ネットとか映画界はこうやって報道してくれますけど、テレビもね、さっきから何社も来てるんですよ。テレビ、一切やってくれないんですよね。それについては? 皆さん、報道各社の皆さん。
山本太郎:
いやいや、あのね、ちゃんと撮ってくれてるんですよ、カメラマンの方も、ディレクターの方も一生懸命。
茂木健一郎:
でも、出ないね。
山本太郎:
あの、出るときは決まってます。開票速報です。「こんな変わったグループも、選挙やってましたよ」っていう様子を今、とらえてくださってるんですよね。
茂木健一郎:
太郎さん、聞きたいんですけど、今ね、このネットではこんなに熱いのに、なかなかテレビとか新聞で取り上げてくれないっていうこの壁を皆んな心配してるんですけど、それはどうなんですか、残りの選挙戦で。
山本太郎:
はっきり言いますね。私が言ってることは、「消費税なんて取ってるんじゃないよ」って言ってるんです。「廃止にするべきだ」って言ってるんですね。で、消費税がどうしてあるかって言ったら、社会保障を支えるためではないんですよ。大企業に大減税、金持ちに大減税した結果、補填(ほてん)する財源が必要だから消費税になってるんです。これはいわゆる何かっていったら、その企業。テレビを支えてるのは企業。番組と番組の間に何回もコマーシャル流れる。企業側が広告枠を買い取ってテレビなどを支えている。企業側にとって不都合な政治勢力を、わざわざ宣伝する親切な人たちなんていないでしょ、ってことなんですよ。
茂木健一郎:
なるほどね。
山本太郎:
でも、その中には、心ある人はいるってことなんです。なんとかこいつらを、ちょっとでも映せないかって、多分、現場で戦ってくれてる人たちはいる。
茂木健一郎:
お願いしますね。各社。
山本太郎:
だから逆にちょっとでも報道してくれたところに、サンキューメールだの、そういうものを送っていって、すごいね、勇気あるねって。
茂木健一郎:
さあ、どの社が、どのテレビが最初に報道するかな。
山本太郎:
だからですね、これは、ある意味、私たち、「放送禁止物体」です。ここをメディアに出していくためには、もっと上がっていかなきゃならない。放送せざるを得ないという状況を作る以外にない。それができるのは誰か? 皆さんおひとりおひとり。
茂木健一郎:
はい、終わりです。でも最後に、太郎さん。僕ね、今回いろんな選挙の現場に行ってるんですけど、やっぱり全然、今までと違うんですよ。フェスみたいな感じで。組織とかじゃなくて、ひとりひとりが自分の判断で来てる気がするんですけど。太郎さん、最後にね、これだけ来てくださってるんですよ。ひと言、どうですか。これから太郎さんが言うところだけ、もしテレビの方、5秒10秒でいいから放送してくださったら。何か、ちょっと、熱いメッセージを最後にお願いします。
山本太郎:
どうしても増税が必要、税金を上げる必要があるというならば、順番があります。
「ないところから取るな。有るところから取れ」
いかがでしょう?
茂木健一郎:
ありがとうございました。山本太郎さんでした。では、失礼します。
山本太郎:
名司会者め。
※最善を尽くしておりますが、なるべく早く皆さまにお届けすることを優先するため、若干の誤字脱字はご了承ください。