【動画&文字起こし全文】「れいわ祭」19.7.12 東京・品川駅港南口【ふなごやすひこ】

木内みどり:
もうひと方、紹介します。難病ALS当事者の、ふなごやすひこさんです。今、登場するのにも時間がかかります。この車だから、えっと、リフトが、リフトに今、乗って、このリフトが上がって、そして、こちらに来ます。本当にあの、世の中は、こういう車椅子に全く優しくないんだっていうことを、本当に痛切に感じます。もうちょっとお待ちください。
ふなごやすひこさんの登場です。

代読者:
ふなごさんの原稿をお預かりしましたので代読いたします。

ふなごやすひこ(代読者による):
皆様はじめまして。世界でたったひとりの全身麻痺ギタリスト、ふなごやすひこでございます。普段なら調査する費用もないことから、「たぶん」と付けるのですが、本日は真実誠(しんじつまこと)の世界的ギタリスト、SUGI様(SUGIZO)をゲストにお招きしてますので、張り合うつもりで言い切ってみました。本日のこの時間、どうかよろしくお願いいたします。

さて、まずは、私の政策を発表させていただきます。それは日本の全患者、障がい者が幸せになるための、教育改革。もう一度申します。
日本の全患者、障がい者が幸せになるための教育改革です。実は私、被虐待体験者なのです。経済的虐待、精神的虐待、肉体的虐待を、ひと通り受けてきています。もっとも、肉体的虐待は暴力などの直接的なものではなく、体に合わない有料栄養剤を与えられ、1日平均3回の下痢を15ヶ月間続けたのです。ここで、健全な精神を持つ、医療介護関係者が不思議に思うのは、本来保険で請求できる栄養剤が、なぜ有料なのだ、ということでしょう。実はこれこそが経済的虐待なのです。

私はこれらの虐待をする人の心理を探ってみました。まずこれらの虐待をしても、なぜ平然としていられるのか。これは相手を劣った奴だと馬鹿にする心があるからです。では自分と比較して劣った奴とは、誰を示すのでしょう。それは生産性のない、高齢者と障がい者です。この思考は、社会に蔓延していると、私は感じています。身震いするほど。だから、私は山本代表と同じ、生産性で人の価値がはかられる社会を問題視する思考に至ったのです。

この問題を解決するには、あくまでも私が当選した場合にですが、文科省を訪れ、人の価値を生産性でははからず、という教育を、小中高大学の道徳、倫理の科目に導入して欲しいとは言わねばなりません。この提案の土台とするものは、私の持説、人間価値論、「命の価値は横一列」です。これは私が大学の講義で述べていることなので、途中を省略して紹介させていただきます。キーワードは「人の価値は空間と時間、そして存在を考察することによりはかられる」。どの講義、講演でも語りますが、私がするスピーチでは、持説ながらも最重要な部分だと考えています。高度医療、介護関係者をはじめ、一般の人々に至るまで考えてもらわなければ、我々障がい者は、いつまでもこの価値を生産性のみで計られ、絶望の日々を生きていかなければならないことになる、という言外の意味を含めたことを、これから話します。

その意味とは、私は、健常者、障がい者の別なく、人の価値政策は、つまり道筋をつけるには、空間と時間、そして存在を考察すれば、順位度外視して決められるということを論じています。

補足として、存在は価値を認められる存在Aと、価値を認められる存在Bとしました。この方法ならどんな人でも、例え私のようなALS患者であっても、その人の持つ固有の価値が見えてもらえると思っています。とは言っても、用語は拝借したのですが、全く哲学的なものではなく、日常にあって見受けられるものなのです。いわば、日常の考え方ということなのです。話を分かりやすくするために、たとえ話を作ってみました。

トイレが詰まった。刻々と悪臭が満ち、家中に広がった。臭い。その時、呼んであった修理屋さん登場。さっと直し、つまりの原因、説明。あなたBはその時、修理屋さんAが神様に見えるでしょ? それこそが、修理屋さんその人の存在が有する価値なのです。哲学者が持つ知識よりその家という空間。その修理にかかる時間において、価値があるものなのです。分野、分野で、人それぞれに持つ価値を発揮します。そんなものなのです。人の価値を見出す一瞬とは、順位はつけられません。あなたがある空間で、価値ある人だとある時間においてその人を思たら、その人は価値ある人なのです。

別の例も挙げてみます。これは実際の話です。かなり前になります。私が人文学科研究所の客員教員をしていた大学には、結婚後妊娠して流産した経験がある女子学生がいました。その彼女がある日、こんな質問を私にしてきました。「私は超音波映像で見たあの子に感動しました。そこには命がありました。確かに、命を感じました。お腹のあの子は感動という形で、命を育む素晴らしさを教えてくれたのでしょうか?」と。私は「小さい命とか、障がい者は人を感動させるという形で社会に貢献しているのです。ただ、生きることで人を感動させることができるのです。命とは、人に感動を与えるものなのです。」と答えました。例はここまでです。

さて、この場合の空間とは、ママになった学生が、我が子を見られた超音波映像の機械がある診察室です。時間とはママが我が子を見られた瞬間です。そして存在はママB、そしてそのママと相対する胎児の2人になります。念のため、もう一度補足します。存在は価値が認められる存在Aと、価値を認められる存在Bとがあります。その空間と時間、そして存在が形成したものこそ、胎児がママにもたらした、命が育む感動です。感動を価値なしと否定するあまのじゃくはいません。ということは、ママにとって胎児は価値ある存在なのです、かけがいのない。アインシュタインの言葉に、人の価値とは、その人が得たものではなく、その人が与えたものではかられる、というものがあります。胎児は得たものなど何ひとつありません。ですが、ママが、我が子が生きているということだけで、感動を与えてくれています。それが生命が持つ最も大きな役割ではないでしょうか? そしてそれこそが大いなる価値なのです。

これは高齢な方、障がいを持つ方とて皆同じです。高齢な方なら、朝、その子が、子どもが元気な姿を見ればよかった本当にありがたい、という感動をもたらす価値を見出します。逆も真なり。障がい児を持つ親なれば、いつまでも子どもが元気であって欲しいと願っています。家庭という空間と、親の人生の過ぎ行く時間の中で子ども、すなわち障がい児という存在が命を保ってくれさえすれば、ありがたいという感動がもたらす価値をその子に見出します。つまり生産性は学歴や学校歴など、見えるものでは人の真の価値、言葉を言い換えれば、その人の持つ生まれながらに有する本質的な価値は、はかれません。

そしてこれがALS患者ふなごの自説。人間価値論。命の価値は横一列の土台なのです。

あとはお笑い話になってしまいますので、省略させていただきます。さて、このことを端的にまとめたのが私の政策。日本の全患者障がい者が幸せになるための教育改革、教育改革です。ご清聴ありがとうございました。

山本太郎:
ありがとうございます。ふなごやすひこさん。全身麻痺で体が動かない。瞳であったりとか、まばたきであったりとか、口の中のセンサーであったりとか。ぱっと見、この人の心の中、どうなってんだろうっていう風についつい思っちゃいました、最初。
精神活動がむちゃくちゃ活発なんですよ。で、事業所の副社長なんですよ。経営者なんですよ。そんな方、ALSの方々の中にいらっしゃいますんですよね。重度障がいだから、難病だからってどうして国会議員できないって決めつけちゃうんですかね。人は見た目で判断するなって散々教えられてるのにね。ぜひ国会に行っていただきたいんです。これから日本の向かう先は、高齢化社会。誰もが寝たきりになる可能性がある。寝たきりになった時に豊かな人生が送れるということを証明し続けてるのが、ふなごさんじゃないですか? 生産性で人間の価値をはかる、そんな空気蔓延してますよ。だから、生きづらい、だから死にたくなる世の中なんですよ。重度障がい者の方が、全身麻痺の方が、人間の尊厳を守れる社会ということは、決してあなたが切り捨てられない社会なんですよ。それを作らせて欲しいんです。

れいわ新選組、特定枠1位、ふなごさんです。ふなごやすひこさん。そして特定枠の2位は、先ほど、重度障がいをお持ちの木村英子さん。この2人が、れいわ新選組では、まず最初に国会議員になっていただくんです。合理的配慮、バリアフリー、言葉だけが踊ってる。これを本物のものにするの必要ですよね。パラリンピックのホスト国なんでしょう? 合理的配慮を本物の、本物のものにするためにはこれ、まずは国権の最高機関にこの2人を入ってもらうしかないじゃないですか? ありがとうございます。本当に勇気あるご決断していただきましたふなごさん、ありがとうございます。

随分とハードル上げたな。山本太郎が勝つためには、特定枠ふたり勝たなきゃ山本は国会議員に戻れない。こんな勝てるか勝てないか分からないことには私は乗らない。そういう人もいらっしゃいます。それが実現できるように拡げてくれませんか? あなたの1票を2票に、3票に、リアルに人と会って拡げてくれませんか? 普通にやってて、風穴なんて開きませんよ。おっきな風穴を開けるために、れいわ新選組に力を貸してください。

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