【動画&文字起こし全文】「新宿センキョ」19.7.20 東京・新宿【木村英子】

木内みどり:
そして、ここでご紹介します。その特定枠、2位にいらっしゃいます。木村英子さんです。声が可愛いらしいから、少女のような声だ、可憐な声だという声が届いています。英子チャンネルで、ラジオやってほしいっていう声もありました。今、木村英子さん、登場されます。ちょっと待ってくださいね。リフトの都合があります。はい、木村英子さんまもなく登場です。

木村英子:
皆さん、こんばんは。すいません、ちょっとあがってます、すいません。

いよいよ今日、明日ですね。投開票の日でカウントダウンが始まりました。ちょっと緊張しています。でも今日はたくさんの皆さんが集まってくれたので、もう一度私が立候補した思いをお伝えしたいと思います。まず最初に山本太郎さんとの出会いについて語りたいと思います。山本太郎さんとの出会いは、太郎’sNETWORKの総会に参加したとき、太郎さんの掲げる政策の中に障がい者政策を入れてください。と発言したところ、太郎さんはここにいる皆さんの前で障がい者政策を必ず入れることを約束しますとそう言われたその姿にとても誠実さを感じたのを覚えています。

その出会いをきっかけに、厚労省交渉に参加していただいたり、バリアだらけの国会見学に一緒に参加してもらったり、また知的障がい者がコンサート会場などで入場拒否を受けた時に相談に乗ってもらったりと、私たちの困窮にいつも手を貸してくれました。

そのご縁で今回参院選のお話をいただきました。ただ障がいも年々重くなってきているので、正直とても迷いました。でも私の心の中には障がい者のこの厳しい現状を打開するには重度障がい者が国会議員でなければいけないという確固たる思いがありました。

でもそれが私でいいのかとその問いを自問自答する日々でしたが、太郎さんとの出会いがなければこの話はなかったと思うし、このチャンスを逃したら重度の障がい者が国会には参加できないと思い、気持ちが固まってきました。ありがとうございます。

また本当に出たいと思った理由は、1970年代から障がい者の運動を率いてきた先駆者たちが亡くなって、私たちの世代に変わりましたが、厳しい運動を知らない人が多く、また行政に対して座り込みをしてまでも激しい障がい者運動で勝ち取ってきた介護保障が、65歳からの高齢者を対象とした介護保険に統合されようとしている現状の中で、地域で自立生活をしている各地の障がい者から、これまでの生活が壊される、助けて欲しいという相談が増えて、何とかしなければと思い強く思ったからです。

そして、一緒に活動している仲間たちの後押しもあり、山本太郎さんの障がいを持った当事者が国会を変えてほしいという強い熱意に心を打たれ、太郎さんと一緒に戦っていきたいと思い決意しました。そして今日この場に立っています。ありがとうございます。

私は何度もお話ししていますが、生後8ヶ月の頃、歩行器ごと玄関に落ちて障がい者になり、物心ついたときから施設と養護学校で育ちました。私たち障がい者は施設に入りたくて入ったわけではありません。そこしか私たちは生きる場がないのです。

障がい者を抱える家族は、毎日介護をし続けることに疲れ、体を壊し、介護ができなくなり、最後は施設に私たちを預けるしかありません。施設に預けられなかった場合、一家心中を図ったり、我が子の障がい者を殺してしまうこともあります。私の場合も例外ではありません。

国は今まで、障がい者の責任をずっと家族だけに負わせ、社会から孤立させてきました。そして私たち障がい者が、地域で生きていける環境を作らなかったせいで、やっとの思いで施設から地域へ飛び出してきても、介護者がいなければ施設に行かされてしまうのです。私は、もう絶対に施設には戻りたくはありません。その思いで、必死に地域で今生活をしています。しかしこの自立生活は、とても危ういものです。

昔は介護制度はほとんどなく、街頭でボランティア募集のビラを撒いて生活を作ってきました。

現在は障がい者総合支援法があり、介護制度が整ってきましたが、人手不足は深刻で、特に重度の障がい者の生活は逼迫しています。このままでは、せっかく施設から飛び出し、やっとの思いで地域での自立生活を実現したのに、私たちの生活は壊されそうになっている、この現状をどうにかしなければと思い、命懸けで選挙に出ることを覚悟しました。

もし私が国会議員になったら、やりたいことがいくつかあります。今、施設や親元を離れ、地域で自立生活をしている障がい者の現状は、とても厳しい現状にあります。

障がい福祉制度と介護保険を統合しようとしている国の動きの中で、65歳になるまで障がい施策で自分に合った必要な介護を受けてきた人が、65歳になったとたんに介護保険に組み込まれ、介護時間を減らされ、命の危機に晒される生活を強いられています。介護保険と障がい者制度は全く違います。

障がい者制度は、障がい者の生きる権利と、地域で生きるための社会参加も保障されている制度です。一方、介護保険は、家族介護の負担を軽減するための制度であり、障がい者の自立と社会参加を保障する制度ではありません。障がい者は、65歳になってから高齢者の介護保険に組み込まれてしまったら、生きていくことはできません。その上、深刻な人手不足で介護者が足りず、お盆や暮れには施設に入らざるを得ない障がい者も増えてきています。この現状を変えていくために、私は介護保険と障がい福祉の統合に反対していきたいと思います。

そして、地域で障がい者が当たり前に生きられるためにとても重要なことは、子どもの頃から障がい児と健常児を分けないインクルーシブ教育の実現です。私は18歳まで施設と養護学校で育ち、1人で外へ出ることはありませんでした。幼い時から健常者と分けられて生きてきました。分けられて生きていくことがどんなに恐ろしいことかを、私は地域へ出てきて差別される度に思い知りました。

私は電車の切符の買い方も知らない、歩道と車道の区別も分からない。障がいを持っている自分が恥ずかしくて、人に声をかけられない。そんな何も知らない私が生きていくには、社会はあまりにもバリアが多く、とても冷たいものでした。

社会と断絶させられ、何も教えられてこなかった18年間の空白を取り戻すのに、35年もかかりました。施設から飛び出し、地域で自立して、人の視線を恐れずに生きていけるようには少しはなりましたが、私は幼いときから受けてきたトラウマと、その弊害に今も苦しんでいます。障がいがあるというだけで、子どもを分けて良いはずはありません。もう私のような子どもたちを、増やしたくないんです。だから、私は養護学校、今の特別支援学校と普通学校を分ける教育には反対です。どの子も分けられず、地域の同じ学校に通い、共に学び会える教育を実現するためのインクルーシブ教育を進めていきたいと思っています。もし幼い時から分けられずに一緒に遊んだり喧嘩したり、泣いたり笑ったりできる環境があったなら、差別をしないでお互いを認め合える優しい社会になると私は信じています。今日は私のために、そしてれいわ新選組のために、応援に来てくれた知的障がいをもった仲間である井上はるなさんが来てくれています。はあちゃん、お願いします。

井上はるな:
皆さん、こんにちは。ライフステーションワンステップかたつむりの共同代表、井上はるなです。かたつむりは、44年前に国立市に作った障がい者の自立支援をしている団体です。

私は養護学校に行ってました。養護学校が大嫌いでした。なので、養護学校を小学校5年生の時、自分でやめました。18歳の時、お母さんの家を出て、国立市で自立生活を始めました。私は養護学校に行きたくなかったし、施設にも入りたくありません。だから、木村英子さんと、れいわの皆さんを応援します。英子さん、れいわ、頑張れ。ありがとうございました。頑張れ、頑張れ、皆んな。英子さん、れいわ、英子さん、木村、木村英子さんとれいわの皆さんを応援します。皆さん、英子さん、れいわ、頑張れ。ありがとうございました。頑張れ、頑張れ。

ありがとうございました。

木村英子:
はあちゃん、あの応援ありがとうございました。とってもあの勇気をもらいました。そしてあの、小さい頃から分けられずに共に生きられる社会を実現するには、もうひとつやらないことが、やらなければいけないことがあります。

それは2016年にスタートした、「障害者差別解消法」の合理的配慮を、全国に整えていくことです。皆さんは合理的配慮という言葉を、知っていますか? 例えばスロープやエレベーターをつけるなど、交通や建物、今日、学校教育、病院、情報、防災、障がい者に対する理解、その他、あらゆる社会の生活すべてにおいて、バリアをなくすための取り組みを、合理的配慮と言います。重度障がいを持つ私の仲間が、体の痛みや、緊張を少しでも和らげるために、スーパー銭湯に行った時、そこで車椅子での入店を、拒否されました。車椅子で外食に行っても、混んでいる時間には断られたりします。ただ、普通に旅行に行くだけなのに、行く先々で差別をされて、悲しい気持ちになることが多いのです。

「障害者差別解消法」が、施行されて3年が経ちましたが、私たち障がい者が、地域で安心して生きていけるようになるには、程遠い道のりがあります。皆さん、なぜだと思いますか? それは、法律を作った国会自体が、バリアだからです。そうは思いませんか? そうですよね。本来なら、国が率先して、差別をなくす取り込みをしなければなりません。差別をなくすために、合理的配慮を全国に拡げていけるように、国会に訴えていきたいと思います。この、合理的配慮が整わなければ、私たち障がい者は地域に参加することも、生活することもできないのです。地域に参加できないということは、障がい者と健常者を、分けることにつながり、差別を簡単に生み出します。そして親が介護できなくなれば、地域に住める環境は整っていないために、私たちは施設に入るしかないのです。ですから私たちは、健常者と同じ権利が保障され、障がい者が当たり前に地域で生きていける社会を目指して、頑張っていきたいと思います。

これから私がやりたいことを叫びますので、聞いてください。「ひとつ、介護保険と障がい福祉の統合反対。」「ひとつ、障がい児と健常児が共に学び合えるインクルーシブ教育を実現します。」「ひとつ、差別をなくすための合理的配慮を進めます。」「ひとつ、障がい者が、安心して、当たり前に地域で生きられる、権利と保障を目指します。」皆さん、れいわ新選組をよろしくお願いします。ありがとうございました。

木内みどり:
木村英子さんです〜。ありがとうございました。木村英子さんにもう一度大きな拍手を。ありがとうございました。素晴らしい叫びでした。


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