本日、「在外邦人の帰国及び、経済的保護を求める申し入れ」を、外務省に行いました。
申し入れ書のPDFファイルはこちらから。
外務大臣 茂木敏充 殿
在外邦人の帰国及び、経済的保護を求める申し入れ
令和2年5月1日
れいわ新選組 代表 山本太郎
参議院議員 舩後靖彦 木村英子
現在、新型コロナウイルス感染症が世界的に蔓延する中、
海外に住む日本人において生活が立ち行かなくなる、
立ち行かなくなった者からの支援を求めるSOSの声が多数報告されている。
4月28日の茂木大臣記者会見によれば、既に8040人の帰国が実現したことや、
現在、帰国意思がある邦人が40か国に640人おり、そのうち450人は出国予定、
残る190人は目処が立っていないとのことだが、
在外邦人の数から考えても、余りにも少ない見積もりではないか。
例えば、外務省領事局2017年情報では、
ワーキングホリデーで各国に滞在する者は、 約2万4千人。
オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリス、韓国、フランス、
ドイツ、アイルランドなど広きに渡る。
この調査以降、最新の情報はない。
実際、我々のもとにも、ワーキングホリデーでオーストラリアを訪れ、
コロナパニックの中で帰国できた者、帰国できなかった者、
双方から現地への救済を求める声も寄せられた。
コロナによる混乱を受け、
航空券の急騰(当時大体20万円から70万円)のみならず、
航空会社の相当数の欠航等により祖父の死に目に立ち会えなかった者。
急騰したチケットを20万円支払って予約、
住んでいたアパートを解約したものの、
フライトが欠航、帰国できなかった者。
帰国が叶わなかった者は、
帰国準備のために生活基盤を整理した者が多く、
現地で生きながらえるには、
身内からの支援を受けるか、働く以外にないが、
ロックダウンによる経済活動のストップで職を得ることは容易ではない。
低賃金で働く農場(ファーム)で作業をしながらなんとか命をつなぐ者もいるが、
1ヶ月以上前に仕事を失った相当数のワーキングホリデーで働いていた人々が、
ファームに押し寄せて歩合制の仕事を共有しているため、
実際には生活するだけのお金も稼げておらず、住んでいた家を追い出された者もいると聞く。
在外邦人のそれぞれの滞在国において、
外国人に対して行われる支援の対象とならない者たちは、
働けず、医療にも繋がれず、家賃も払えず、
食糧を入手するのも困難な状態に陥っていると考えられる。
早急に経済的支援を日本政府として行なう必要がある。
帰国の意思はあるが、それが叶わない状況も報告された。
4月下旬には、ロシアからは、
「バレエ留学の子供たちが百人近くいて寮も職員は自宅待機となり、
日本人の生徒だけが寮の中に取り残されている」という相談も当方では受けた。
日本人生徒は、日本への便が急遽キャンセルになるなどで、足止めを余儀なくされているという。
幸い、ロシアの国内線は動いており、モスクワまで移動するなどには対応できる。
チャーター便などのアレンジが必要である。
自国民の生命財産を守ることは、国の大切な役割である。
例え、生活の場が海外にあったとしても、
緊急時には母国の支援が受けられるのが先進国であり、
在外邦人を見捨てない国が日本であると考える。
在外邦人の安全状況に加えて、経済的状況をそれぞれから聞き取り、
必要な支援のニーズを把握するように求める。
在外邦人の生命と安全を守るため、
以下、申し入れる。
記
1. 在外邦人の安全確認、経済的な困窮状況を把握し、
支援が必要な在外邦人には早急に支援の手を差し伸べること。
2. 至急、政府として在外邦人に対する経済的支援を行なうとともに、
帰国希望者に対しては政府による費用負担の上でチャーター便や帰国便を手配するなど、
在外邦人の安全の確保を直ちに行なうこと。
3. 新型コロナウイルス感染症緊急経済対策に係る「特別定額給付金」(一律10万円給付)について、住民票を抜き、在外公館に在留届を提出した在外邦人に対しても支給対象とするよう、
運用を見直すこと。