本日、6月12日、新型コロナの緊急経済対策として、
先の1次補正に続く、
総額31兆9000億円の20年度第2次補正予算案が参議院本会議で可決される。
れいわ新選組として、前回の採決に続き反対する。
前回の反対の理由は2点だった。
①あまりにも額が小さい。
②あまりにも遅い。
今回もその2点が引き継がれた上に、
③配り方が不透明
④この期に及んでまだ消費税減税が入っていない
というものが加わる。
以下、合計で4つの理由を説明する。
① 補正予算額における「真水」が不十分であること
反対理由の一点目は、額が少ないことである。まず、今回の第2次補正予算の「一般会計」と「特別会計」を合わせて約32兆円であるところ、仮にこれを「真水」と呼ぶとしても、そのうち10兆円が予備費であって、その金額が確実に人々の暮らしを改善させるために使われる保証はない。
5兆円は使途を明確にしているが、それでも5兆円は不明確なままである。
加えて、貸付に相当する約12兆円の「企業の資金繰り支援」。
これについては、識者からも指摘があったが、すべて必ずしも返済を強要しない貸し付けを行い、その対象がすべて「赤字企業」であるなら、実質この12兆円は「真水」として機能するが、本補正予算では、そのように新たな資本増強支援策の枠は報道等によれば1・2兆円とその約10分の1である。
人々からは、第2次補正予算における真水は、
実際には真水と言えない泥が混じった泥水だとの指摘すらある。
第1次補正予算の真水25.7兆円と合計しても、
最大限多く見ても、合計で60兆円に満たないものであって、
コロナによる経済へのショックを考えれば未だ金額的に不十分である。
そのうえ、真水の内容も上げ底になっている疑いがある。
それにもかかわらず、今回の経済対策の「事業規模」は、偶然にも1次補正時と全く同じ「117兆円」という金額になっている。「事業規模では第1次補正予算と合わせて234兆円」と強調し、国民の目を誤魔化そうとしている。
恥を知るべきである。
そもそも、れいわ新選組としては、
4月の初めから100兆円規模の真水を求めてきた。
その後には、200兆円の真水を求めている。
コロナにおける補償なき自粛で現在も疲弊、
困窮する人々を本気で救わない補正予算に強く抗議する。
② 内容が不十分又は不適切こと
反対の2番目の理由は、第2次補正予算では、雇用調整助成金の拡充や家賃支援給付金の創設、ひとり親世帯への追加的な給付など、労働者や中小企業支援策を盛り込んでいることは評価できるが、その一方で、困窮世帯への追加支援、学生の学費一律免除や医療機関への経営支援など、まだまだ支援が不十分な状況である。
第3次補正予算が必要と指摘するエコノミストや一部野党からの声が出ている。金額を予め100兆円規模で確保していれば、このようなことにならない。
また、第2次補正予算には、10兆円の予備費が計上されている。もちろん備えは大事だが、各地方自治体がその地域の実情に合わせた政策を打ち出すためにも、予備費ではなく、地方が地域の実情に合わせて使途を自由に使える地方への交付金とすることなどが必要である。
③ 給付の仕組みの不透明さ
3番目として、現在、持続化給付金やGoToキャンペーンの事業委託費について、再委託などの疑念が生じている。額が少なく、支給が遅いだけではなく、電通やパソナが設立したトンネル団体を通じて、電通に丸投げし、その後何回も再委託してするなど、こんなときにも経済界にうまみを配分しようとする政府の細やかな気配りをぜひ、この国に生きる人々にもみせていただきたい。
第二次安倍政権時、「トリクルダウン」という言葉が話題になった。
庶民に対するトリクルダウンは、ほぼ起こらなかったが、
政権に近いところだけは毎度滴り落ちる量が半端ない、
ということがよく確認できた事案であった。
いい加減にしていただきたい。
④ 消費税減税がないこと
今回の第2次補正予算では、人々の生活支援のための一定の支援策が盛り込まれているが、現在までの持続化給付金や定額給付金を見て分かるように、その支援が実際に国民に届くにはかなりの時間を要している状況だ。
そのため、れいわ新選組としては、より早く人々の負担を減らし、需要喚起をする方法として、緊急事態宣言解除後に即効性のある消費税ゼロ%を主張してきた。これに関しては、与野党を超えて共有できるものと認識している。
この第2次補正予算には未だに消費税減税の施策が加わっておらず、景気回復への政府の本気度が疑われる。最初の補正予算で消費税減税を決めていれば、今頃は実施がかなっていた可能性も十分にある。
人々の日々の負担を減らし生活支援にも直結する消費税減税や大胆な財政支出から政府がなぜ逃げ続けるのか理解に苦しむ。
以上の理由により、第2次補正予算に反対する。