下水PCRの大規模・継続的な実施で感染を早めに察知し対策
通常のPCR検査能力の拡充はもちろんですが、私達は東京都の下水中の新型コロナウイルスを検出するPCR検査を徹底的に拡大していきます。
かんたんに説明します。
「感染者のふん便には発症前からウイルスが含まれており、下水を検査することで感染流行の兆しがある地域を特定できる可能性がある」ということがわかっています。
感染症の兆しを見つけるためには下水を調べろ。実はこれは昔からある考え方です。イギリスの「エコノミスト」誌は、「疫学(感染症学)は下水から生まれた」と書いています。
下水PCRは要するに、下水管を流れる排水をPCR検査にかけて、ウイルスを見つけ出そうというやり方です。
かつて猛威を奮った伝染病であるコレラ。この感染を突き止めるときにも下水を調べる事が重要だったそうです。コロナが発生する以前にも、違法薬物やポリオの監視にも下水分析が使われていました。
現在では、コロナウイルスだけでなく、次の潜在的なパンデミックから抗菌剤耐性まで、あらゆる分野に拡大することが期待されています。また、英「ガーディアン」紙でも、イギリスで変異株の兆候察知にこの下水PCRが大幅に拡充するという報道がありました。他にも今年5月2日、ドイツの報道では、欧州連合は加盟国に対し、(COVID-19) の発生を早期に発見するため、下水を監視するよう求めています。
このように海外ではもう、特にヨーロッパでは、下水のPCRは当たり前に活用されていいます。
既に、昨年の7月に、産経新聞がフランスでの取り組みをしっかりと記事にしていました。記事によるとパリ水道局が2020年3月初めにスタートし、パリ首都圏では15ヶ所で毎週、サンプル検査をしている。2020年9月までに全国150ヶ所に拡げるのが目標とされていました。去年の夏の時点で、下水PCRを全国に拡げていく、という動きがすでに見られました。
日本はどうでしょうか?確かに、東京でもやっています。第1回調査、第2回調査、これは去年のことです。しかし、回数が少なすぎる。第1回調査。たった2カ所(9回)。第2回調査は20箇所に広げたものの各1回ずつ。これでは、傾向を掴むこともできない。
もちろん、今年に入っても、下水道局の発表によると、都立学校周辺の公道。そこにあるマンホールを調べるなどしていますが、単発的にやるのでは意味がありません。
こういうことをシステマティックに継続的に行うことが必要です。
私たちれいわ新選組は、徹底した下水道のPCR検査を推奨します。これを都の下水道局の本来業務に追加するべきだと思います。下水を遡っていくことによって、感染者をしっかりと捕捉。そして感染者を経済的にも損をしないような形で保護をしていく、これを徹底していきたいと考えております。この仕組みを作っておけば、今後もコロナ以外の感染症のまん延にも機動的に対応できます。
具体的にはどうやるか。東京都には最終的な下水処理場が20ヶ所ある。
そして、下水処理は処理区単位で行いますが、下水を管理する上で一番小さな単位である小分区(だいたい平均で1キロ四方前後の広さ)ごとに、定期的に下水管やマンホール下の排水を調べていく。
東京都内500ヶ所ある小分区ごとに定期的に継続的に調査する。人の出入りが激しい繁華街ではなく、住宅街などでは小分区ごとの検査結果でウイルスが検出されれば、その地域の感染の兆しが分かる。そのウイルスの出どころを探るために、地域を絞ってPCR検査を実施する。そうやって、陽性者を見つけ出すことができる。
このようなコロナウイルスを持つ人たちを徹底的に捕捉していくためにこの手法が役に立つと欧州では認められているわけです。
東京都の下水道局に聞いたところ、「もし処理小分区ごとに下水を定期的にPCR検査できれば、最小単位での感染拡大の兆しをつかむことも理論上は可能」ということです。実際は人員確保やコストの面での問題があるといいますが、いまだにその試算さえされていません。
技術は既にあります。
日本の企業でも、塩野義製薬や北海道大学、そして島津製作所といった有名企業や大学が技術開発をし、実用化にこぎつけている。この技術では下水中の100万人中1人の感染者を検出可能というところまでに技術が高まっている。解析を自動化することで可能になったといいます。技術は既にあるのですから、後はやる気、政治的な決断だけです。
東京から最新式の感染症のまん延防止策を発信していきたいと考えています。