司会者:
はい。それでは先ほど申し上げました通り、今日は4時にちょっと代表、別の予定がありまして、退席しなければなりませんので、4時まで記者会見をしてその後、速やかに写真撮影を行って、という段取りで行わせていただきたいと思いますので、どうぞご協力のほどよろしくお願い致します。それでは代表、お願いします。
山本太郎:
はい。時間となりました。少し過ぎました。申し訳ございません。れいわ新選組代表山本太郎による不定例会見。で、今日もですね、候補者の方をご紹介したいと思います。昨日は東京選挙区でしたけれども、今日は全国比例ということでご紹介します。この方です。よろしくお願いします。れいわ新選組の参議院の比例区の公認候補予定者でございます。キムテヨンさんと申します。キムさん、落ち着いたところで皆さんにご挨拶のほう、よろしくお願い致します。大丈夫ですよ、自分のタイミングで。お水を飲まれても問題ないです。
キムテヨン:
皆さんこんにちは、どうも。キムテヨンと申します。
山本太郎:
マイク近づけてあげてください。
キムテヨン:
はい。わかりました。キムテヨンと申します。日本国籍の在日コリアンでございます。このたび、れいわ新選組さまより公認をいただき、7月の参議院選挙に比例区より立候補させていただく予定となりました。よろしくお願い申し上げます。
ご承知の通り、私は先日まで社会民主党さまから公認をいただき、立候補を予定しておりました。なぜそれをやめて、れいわ新選組から?と疑問を持たれる方も多いかと存じます。その疑問にこの場で詳しくお答えすることは難しいのですが、それはひとえに私の不徳の致すところと言わざるを得ません。この場ではこのたび、れいわ新選組さまより公認をいただき、立候補させていただくことになり、一言決意を述べさせていただきたく存じます。
私は2009年に日本国籍を取得した在日コリアンです。18歳まで私は自分が在日だということを必死に隠して生活をしてきました。子どもの頃から両親やきょうだいが在日韓国朝鮮人であるということで苦しむ姿を見て育ちました。そして子ども心にこう思うようになりました。「自分もいつかはああいう目に遭うんだろうな。」そして高校生のときには周りの友人たちがあの大学に行きたい、あの会社に入りたいと希望を語っているのを尻目に自暴自棄になり、学校に行かなかったり、グレた生活を送っておりました。私はこう思っておりました。どうせ何をやったって、「お前朝鮮人だからダメ」って言われるんだろう。なら努力なんかしたって無駄じゃないか、そう思っておりました。そして私の家は貧しかった。両親は小さな工場をやっておりましたが、経営は厳しく、家計も厳しかった、そういう状況でした。小学校6年のとき、家には私を修学旅行に行かせるお金がなくて、私は母と一緒に隣の家にお金を借りに、「お金を貸してくれ」と頭を下げに行ったのを覚えております。今、この場にこうして座っている私をもしかしたら苦々しい気持ちで見ておられる方もいるかもしれません。ある人は私のことを上昇志向が強い人間だと言った人もいます。そういう私を浅ましいやつだと思う方もおられるかもしれません。しかし私はこう言いたいのです。あんたにこの苦しみがわかるかと。あんたにこの私の置かれた境遇が、そして底辺に生きざるを得なかった人間の痛みがわかるかと。
そしてこう申し上げたい。こうした不遇な境遇にあるのは、今、在日韓国朝鮮人だけではありません。様々な在日外国人の人々、外国ルーツの人々。またジェンダー、セクシャリティ、障害の有無など、様々な境遇にいる人たちがおられます。そしてそれだけではなく、この社会で隅っこに置かれ、底辺に置かれ、地を這いつくばり、土を舐め、草をかじり、傷つき、血を流して生きて来ざるを得なかった人々がたくさんいます。私は綺麗に順調に生きてきた人間ではありません。叩けば埃の出る人間です。ある時期は酒に溺れ、20代の頃には絶望から2度、自ら命を絶とうとした経験を持つ人間です。今こうやって生きているのは、たまたまの人生なのです。
だから私は申し上げたい。もがき、苦しみ、毎日を生きざるを得ない人々、そして若い方々。明日が見えず1人で夜をうずくまっている人々。不信感に背中を丸め、怒りに震えながら、自分はもしかしたら人を傷つけてしまうのではないかと思っている人たち。そういう人たちに申し上げたい。あなたは私だ。私はあなたなんだと。現代社会は殺伐としています。毎日、意味もなく、人が刺され、大人や子どもたちが殺されています。捕まえてみると死刑になりたかったと言う。許されることではありません。しかし、こう言いたいのです。あんたに何があったんだと。聞かせてくれと。そしてこう言いたい。その握りしめた拳を握りしめたまま、ここに来いと。私たちのところに来いと。そして話をしよう。一緒に考えよう。一緒に見つけよう。そして一緒に変えていこう。私はそれがれいわ新選組だと思っております。社会の隅っこや、底辺で生きてこざるを得なかった人々。明日の生活がままならない人々。そういう人たちに、「安心して」「明日があるよ」と。そして誰もがこの社会に生きていて「私は大切にされている」と、そう思える社会を私はここで、共につくっていきたいと思っております。どうぞよろしくお願い致します。ありがとうございました。
山本太郎:
ありがとうございました。れいわ新選組の参議院の比例でキムテヨンさんからのメッセージでございました。皆さんのほうから何かございますでしょうか。挙手の上、所属をお答えになっていただいた後にご発言のほうお願い致します。
記者:
France10の及川と申します。社民党からお金とかの面や、あるいは様々な援助があったと思いますが、その点をたぶんクリアにされた方が、後々トラブルというかギクシャクしないと思いますのでご説明をお願い致します。
キムテヨン:
はい。大変ありがとうございます。ここまで約2ヶ月くらいですけども、私自身がいろんな移動費とか党との活動費は、ま、ぶっちゃけて言いますと100万以上かかっております。それらはすべて私が自分のお財布から出させていただきまして。社民党のほうからですね、活動費として出るという前に今回の離党、そして公認辞退ということがありましたので、もうそれは私が出したものはそのままですし。で、この後、社民党さんのほうで作っていただいたポスターであるとか、チラシに関しても社民党さんに損害を与えることになったかと思いますので、その分はご請求をいただくことになっております。そちらも私が負担を致すことになっております。以上です。
記者:
素晴らしいと思います。
山本太郎:
他にございますでしょうか。
記者:
NHKのサクラダと申します。えっとキムさんと山本代表にそれぞれ1問ずつお伺いします。あの今の質問にもあったかと思いますけれども、まぁあの少なくとも、れいわ新選組から公認で立候補するということにお決めになった理由としては、何かしらたぶん何かそのシンパシーというか惹かれた部分ってのがあったと思うんですけども、そこがどういうところに共感して、れいわ新選組からの立候補を決断したのかということをちょっと改めてお伺いしたいというのがキムさんへの質問です。
で、山本さんに対するご質問なんですけども、ちょっとあの、今回の、立候補会見とはちょっとそれるんですけども。昨日のお話で特定枠のお話あったかと思うんですけども、具体的にその昨日のご発言だと1議席というか、お1人は今、検討したいとご発言があったかと思いますが、具体的にその擁立状況はどの程度なのかというのを、すいません、ご確認させてください。よろしくお願いします。
キムテヨン:
やはり、れいわ新選組さんの政策等は、もう従来より聞いておりまして、もう社会的な弱者、少数者に対する、を念頭に置いた政策っていうことはもう十分承知しております。それに加えて、やはりれいわ新選組さんの政策の中で、大きな、自分としては位置を占めるのが経済政策ですね。やはり先ほど申しましたように私、苦しい生活の経験が結構長かったもんですから、美辞麗句を並べるだけでは生活は改善していきません。ですので、やはり精神的にも、そして物質的にも豊かになっていく。そういった現実的な政策をれいわ新選組さんは目指しておられるということで大変シンパシーを感じております。以上です。
山本太郎:
ありがとうございます。ま、既存の政治勢力っていうところに期待できないっていうのは、やはり30年間国を壊してきたことですね。一度も良くなってないんですよ。30年間、経済は衰退し続けた。で、全体の所得も落ち続けた。要はその今、この国会の中に身を置いている者たちには、それは悪いほうに加速する以外はもう止めようがなかったってことですね。そこに期待するものはないんですよ。新たにしていくしかない。で、これまでの財政観を持ってそれをなんとかできるはずがないんですよ。大胆に通貨発行権を使って全体的に底上げするってことですよ。で、えっと、ま、国民の為にっていう話はよく聞きますけれども、えっと例えばですけど、そのコリアンジャパニーズの方々とかもキムさんのように日本国籍を得ている方がいらっしゃいます。で、今、もう若手の方々、コリアンジャパニーズの若手の方々はほとんど日本国籍に変えるというような状況になってるとも聞きますけれども。やはりルーツっていうとこにこだわりを持って、こだわりを持ってといいますか、誇りを持って、それでいて、もう日本で、もうほとんど日本での生活してる人たちはカウントされないのかっていう部分には私はやっぱり首をかしげざるを得ないわけですね。国民の為ではなくてこの国に生きている者たちですね。この船に乗り合わせている全体を底上げしていくことによって、この国は景気よくできるわけですね。一番大きなエンジンというのは、やはりみんなの消費なわけだから。そこに対してやはり「光を当てない」ということをし続けてきた結果、25年以上経済が悪い状態で、そこにコロナまでやってきて戦争まで始まったっていう。明らかに間違いは何かというと経済政策以外ないです。
今こそ消費税、これは当然、廃止すべきだと思いますし、ガソリン税もこれゼロにするべきだし、その他にも現金給付ってことは絶対ですね。特に今みたいなコストプッシュインフレっていうような状況、外から入ってくる原油高であったりとか、他にも輸入物価っていう部分で、これも日米の金利差開いて、ねえ、どんどん日本のお金っていうものも金利が高いほうに流れるわけだから。今こそお金刷らなきゃダメなんだよってことですね。そういったことをやっぱりちゃんと本当はわかってるはずなんですよ。政治家たちも。だって、それぞれの政党がみんな積極財政に近いこと言ってますからね。一番大胆なこと言ってんのは私たちですけど。それには及びませんが大なり小なり言うてるわけですよ。で、その財源、何なんですかっつったら国債発行に決まってんですね。でもこの国債発行ってことに対して世の中が否定的、もちろん否定的になるような刷り込みをされてきたわけだからそうなるに決まってるんですけど、そこに対してどうして説明する責任を果たさないんだってことだと思います。そこに真っ向から切り込んでいけんのは私たちだけしかいないだろうと。そういった意味で、ある限られた方々のみに光を当てたっていう話ではない。この世の中には苦しまれてる方々も大勢いらっしゃるし、この先、苦しむ方々もいらっしゃるかもしれない。そのためには全体的に底上げをして景気を上げていくしかない。私たちにはその力がある。日本にはその力がある。その力があるうちに徹底的にやる以外は方法がないわけですね。ありがとうございます。で、もうひとつ、特定枠という部分についてご質問ありました。ここに関して今ここで言えることはないです。はい。すいません。
記者:
ちょっと一応確認なんですけども、今、比例の候補者はそのお三方、既に会見されてますけども、このお三方は特定枠ではなく通常の形で立候補するという理解でよろしかったですか。
山本太郎:
はい。ただし私たち次の参議院選挙に出ると言われる方々に対してはそれは説明されています。はい。
記者:
France10の及川です。今、私、社民党の方に今、メッセージを送って、どういう気持ちなのかなというのを聞いておりまして。たぶん本当、繰り返しになりますが、早いうちにご説明をされたほうが後々トラブルにならないと思うんですが。連絡が来た社民党の方のお一人は、「まず謝罪が先じゃなくて、なんで出馬会見なんだろう」という大変厳しいようなことをおっしゃってますが、それについてどうお考えになるか。あともう一点、やっぱ社民党で「地元で働いていた、運動していた人たちにまず先に声を掛けるべきでは」というご意見が来ましたんで、ご説明をなさったほうがよろしいと思います。
キムテヨン:
ご迷惑をおかけしたということに関しましては、ここまでの間にも私自身、ホームページ、そしてFacebook、Twitter、Instagram等を通しまして、説明と報告とお詫びの文章は載せさしていただいております。確かに今、おっしゃっていただいたご意見の方もそういう方もおられるかと思うんですが。それで私、今日は実はもう社民党さんを出た人間として、去った人間として、あまり詳しく言うことはかえってそれは結果として社民党さんに対して批判的なニュアンスになってしまうかと思って、あまり詳しいことは言うべきではないという風に私は思っておりました。で、ただ、ここ1日2日の中で社民党さんの方かどうかわからないし、そうではないかもしれませんが、私に対する中傷とも言えるような文章やメールが送られてきています。私本人ではなくて、れいわ新選組さんであるとか他の方に送られてきております。その中には事実無根のことも含まれております。そういう意味で、ただ「不徳の致すところ」って言うだけでは、ちょっと誤解を持っていただいたまま過ぎてしまうんじゃないかという危惧がありまして、言える範囲でやはり言わなければと思って今日は参りました。
それで、ひとつまず申し上げたいのは、先だって社民党さんから記者会見をされたときに確か3社がですね、新聞の方が記事にしてくれたかと思うんですが、そのうち2社は「公認取り消し」という風に報じていただきました。で、1社は「公認辞退」と報じていただきました。これは厳密に申しますと、取り消しではございません。私は自分から公認を辞退し、離党を致しました。それは細かく言いますと、3月の28日に社民党本部様宛にその届けを発送致しまして、29日にもう社民党本部様はそれを受理しておられます。それは配達証明付きで送りましたので手元に配達されたという証明もございます。ですので、繰り返しなりますが、私は公認を辞退し離党をさしていただいたというのが正しいところでございます。
そして、なぜ社民党を離れたのかっていうことに関してですが、これはひとつではありません。理由はひとつではないのですが、そうですね、私、ほぼ2ヶ月社民党さんでやってきたわけなんですが、また党大会や決起集会等も参加さしていただいたんですが。それに参加さしていただいて私自身が驚いたのが、現野党ですので現政権批判というのはあってしかるべきかと思うんですけども、「だから社民党を残さなければいけない」「だから社民党を守らなければいけない」という議論に終始していたことに正直驚きました。なぜ今、社民党さんがこうした厳しい状況に至ったのかという総括、分析、そしてそれを踏まえて今後どうしていこうとしているのかっていう方針、そういったことが聞かれなかったことに大変大きなショックを受けました。その党大会、総決起集会にはマスコミの方も来ておられました。僕はマスコミの人たちがどう思ったかなぁと思いました。「社民党、相変わらず同じことを言っている」そう受け取られはしなかったかな。そうではなくて今までの自分たちの総括と今後の方針を具体的に述べることによって「おっ、社民党なんかちょっと違うなと。社民党なんかちょっと変わろうとしてるのかな」と、そういったような印象を私は与えなければ、まさにこの選挙を控えて、そういうことが求められていたのではないかなぁと思うんです。しかし従来からのお話に終始されておられた。
これは大変に厳しいというか、申し訳ないことを言うんですが、私、党大会に参加をさせていただきながら、自分の熱が急速に冷めるのを感じておりました。そして、こう思っておりました。「俺はこの場にいても遅かれ早かれ、ここを離れることになるだろうな」そういう風に感じておりました。そうした自分の中での矛盾を抱えながら、選挙戦を戦うことは難しいです。ですので、私は離党、そして公認辞退をさせていただきました。そののち実は無所属で選挙区からっていうことを考えて模索を致しました。しかし私自身が強い地盤があるわけでもなく、また自分が地縁のあるところから考えたらどうかと思ったときにですね、ちょっとここはまずいなとか、そういうことをいろいろと条件がありまして、無所属選挙区からの出馬というのはちょっとこれはやっぱり厳しいなという風に結論になりました。そして私かられいわ新選組様に申し入れをさせていただき、ご検討をいただいたというのがこの経緯でございます。いろいろとご意見はあろうかと存じます。誹謗中傷ではない限り、私はそれを甘受致すつもりでおります。
山本太郎:
ありがとうございます。まぁ、かなり抑えた表現でお話をされてると思います。で、ひとつ申し伝えたいのは、申し伝えたいというか私が感じることは、関係者の方々で私たちの陣営に対して、キムさんに対しての誹謗中傷を送るのはやめてほしいんですよ。どの組織であってもどの党であっても問題は抱えてると思うんですね。で、私たちもそうだと思います。どの党もそうだと思います。で、このような事態はどの党にもあり得る話かもしれない。でもやはりキムさんがやはり自分が政治に打って出て世の中を変えたいと真剣に思ったときに、それをれいわに求めてくださったっていう非常にありがたい話なんですけれども。そういうような、なんだろうな、キムさんに対しての誹謗中傷を、やはりそれを拡げてしまうというか流布するってことはこれ、それに対して打ち返さなきゃいけなくなるじゃないですか。そんなことやって、「票減らすで」って話ですよ。はっきり言ったら。あの、かなり抑えてお話されてると思います。はい。僕から言いたいくらいですもん。混乱しか生まれないっていうね。はい。すいません。真摯にキムさんはやはり短い期間だったけれどもお世話になりましたということで。で、やっぱり自分の実現したいものを考えたときに、れいわではないかという考えに至ったということだと思います。非常にシンプルなお話だと思います。はい。
社民党との関係性が悪くなる可能性ですか? 関係悪くなる可能性あるんかな。うちは何もないですけどね。向こう側の、向こう側がどう考えるかですよね。これを教訓っていうか、今回、それを勉強するっていう機会にするのか。それとも、もうただの恨み節になるのか。それって、その先の組織のあり方っていう部分にも関わってくると思うんですけど。ええ。やはりあの、キムさんとしては筋を通された、なんだろうな、一貫して筋を通した上でこのような会見に臨まれてるので、もうそこは、やはり切り分けたほうがいいんじゃないですかね。うん。あの、「目的はそこじゃないでしょ」っていう。はい。やはり、私たちは違うものと戦わなきゃいけないってことですね。はい。
司会者:
はい。じゃあどうぞ。
記者:
クミチャンネルの小山と申します。初めまして。ちょっと私はあの存じ上げなかったのでキムさんの人間像が知りたいと思うんですけれども。東洋大学の国際社会学部の先生をしてらっしゃって。3月までですね?
キムテヨン:
はい。そうですね。今ですね、休職という扱いになっております。
記者:
あ、そうなんですか。
キムテヨン:
はい。そうなんです。はい。
記者:
あの、東洋大学すごくいい学校だと思うんですけれども。
キムテヨン:
はい。はい。
記者:
あの、学生たちとこういった政治に関して普段どんなお話をしていらっしゃったのかお聞かせいただければと思います。
キムテヨン:
ここ普段からですね、そういったことないんですけど、3年前から18歳以上に選挙権が与えられましたよね。3年前なんですよ。だから前回の参院選のときからなんですけども。それで授業に来てくれてる学生の人たち、みんなもう選挙権持ってますので、結構その投票日のですね、もう数回前の授業のときからね、君たちもう選挙権があるんだからねって言って。んで、今のこの社会の問題とか、いろんな問題を話をして。で、君たち自身もやっぱり生きづらさ感じてるでしょう、と。そういうのをね、やっぱりね、変えていくためにはひとつのやっぱ投票行為っていう大きな武器としてあるんだよっていうことで話しさせてもらって、結構話して。だから「投票いこうね」っていう感じで言ったんですね。それで選挙終わった後に300人くらいの授業だったんですけども、次の週の授業で聞いてみたんですよ。「選挙行った人」って。そうしたらね、勘定してみたら、65%が手挙がったんですよ。そのときのね、10代20代の投票率ね、10%から20%ですよ。僕ね、嬉しくてですね。若い奴らまんざらでもないなと思ってですね。本当にね、涙が出るほど嬉しくて。「君たち偉いね」って。なんか。だから若い人たちもですね、自分たち、政治ということで言うと、その辺、大変自分たちとは遠い世界というか離れたものとして考えられがちなんだけれども実は政治ってのは私たちの生活であり、生活が政治なんであるということが若い人たちにも実感できると、若い人たちは投票に行くっと思うんですね。そのためのね、やっぱりね、小学校中学校高校でいわゆる主権者教育とか市民教育っていうのは絶対にしていくべきだと思うんですね。そういったような経験があって、私、若い人たちには大きな期待を持っております。はい。
記者:
ありがとうございます。もう少し聞かせてください。
キムテヨン:
ありがとうございます。はい。お願い致します。
記者:
一応、国際という風に付いてらっしゃる社会学部、外の友達とか私もいるんですが、国際って付いてらっしゃる。それで経済政策のところ見せていただきましたら、弱者のほうにこう視線がいっていらっしゃるということで、山本さんと同じようにまず下支えというかですね、そういった政策になっているんですが。そのグローバリズムによってこの貧困が生まれているというお立場で、こうなんて言うんでしょう、普段からお考えなんでしょうか。その敵はどこにいるのかという、そういう話なんですけれども。
キムテヨン:
そうですね、はい。で、あのですね。私、お金儲けをすること自体が悪いとは思ってないんですね。ただ、そこにつきまとう、やはり搾取の問題とか、働いてもらってる人にね、ちゃんと応分の報酬を出していくっていうね。だから一部の人だけがお金持ちになっていくんじゃなくて、みんなで豊かになろうよっていうですね。そういう考え方ですので、全然、そのグローバリズムっていうことにもいろんなものが含まれてくると思うんですが、やっぱりもう代表そしてれいわ新選組もそうであるように一部の人たちだけが潤うのではなくて、みんなが潤っていく、そういう社会を目指していきたいと思っております。
それでちょっといただいた質問とはズレるかもしれませんが、今までその社会的いわゆる弱者、少数者、マイノリティの問題っていうのはその人たちの弱者をいかに救済するかっていうね、ことだけに終わってきたことがあると思う、面があると思うんですね。私はそうではなくて、そうした今まで社会の隅っこに置かれた人々、そしていわゆる底辺に置かれた人々をですね、いかに社会で活躍していってもらう存在にしていくのかだと思うんですね。いかに社会の活力に、エネルギーに結びつけていくのか。人に何かをね、してもらうだけの存在、言い方悪いんですが、施しを受けるだけの存在というのは、やっぱりね、生きていく勇気や、エンパワーメントされないと思うんですね。ですので弱者救済ではなくて、社会の活力、エネルギーに、そういう社会像を持ってつくっていきたいと思っております。はい。どうもありがとうございます。
司会者:
はい。その他いかが。じゃあどうぞ。はい。もうこれ最後でいいですかね? 最後の質問で大丈夫ですか?
記者:
何問か。
司会者:
はい。
記者:
France10の及川です。社会新報で見ていたんですが、本名が日本名で、通名がキムテヨンさんって逆のパターン。そこのご説明をたぶん、れいわの方、初めて見る方、なさったほうがよろしいんじゃないかなと思います。はい。
キムテヨン:
これもう大変生々しい話で恐縮なんですが、今、言っていただいたように私のね、戸籍名は井沢泰樹という18歳の9月まで使ってきた名前なんですね。井澤泰樹。で、これは戸籍名です。で、キムテヨンっていうのは今は通称名にあたります。で、これも聞かれるんですが、なぜキムテヨンという名前を戸籍名にしなかったのかっていうことなんですが。実はまぁいろいろ考えました。いろいろ考えたんですが、実はまぁその時点でこういう言い方したらまずいかもしれませんが、私、正直言って2009年に日本籍取りましたが、ちょっとね、在日の社会に幻滅しておりました。正直言って。変わらないなぁと。なんかこう、考え方もやり方もなんか変わらないなと。ほんで私、若い頃20代、30代、大阪の在日の集住地域で活動を、教育活動、民族活動、地域活動をやっておりましたけども、ある時には、ある出身のことで意見がぶつかって、その時に、その団体の15~16人対僕1人の対戦になってしまってですね。僕はその彼から、その人からなんて言われたかって言うと、「お前そんな考え方だったらね、朝鮮人やめてしまえよ」って言われたんですね。朝鮮人から「朝鮮人やめてしまえ」と言われたんですね。ですから在日韓国朝鮮人だからと言って、みんなが理解し合えているとか、タッグを組めているとかそういうのではなくて、私自身が在日のコミュニティーから排除された人間でもあるということなんですね。まぁ正直言って名前をどうするかっていう時には迷ったんですが。私はその時に、私にとって井沢泰樹もキムテヨンも私ですので。家に帰れば両親、あ、両親じゃなく、父はもう亡くなりましたけども、家族きょうだいは泰樹、泰樹と呼びます、私のことを。「キムテヨン。ん? 誰?」っていう感じですね、本当にはっきり言って。ですから自分の原体験の中で、やはり井沢泰樹っていうのは、あるんですね。中学高校の友人、泰樹、泰樹って呼ぶしですしね。ですので、泰樹もテヨンも私である、ということで本名は井沢にさせていただいて。まぁ、しかし社会活動はキムテヨンで自分は在日であると。日本におけるエスニックマイノリティであるということで使わせていただいてる。まぁ、そういう経緯があります。
記者:
例えばネットで在日の知り合いとか言うのが、もうネットで朝鮮名だと、もうただそれだけで叩かれるっていうので、もうほとんどTwitterは朝鮮名でやってる人、耐えて頑張ってた人もいましたけども、どんどんいなくなってきている。キムさんがあえて日本名がありながら、まぁその強さですね。それはどういうところから出てくるのかお伺いできますか?
キムテヨン:
私、強くなんか全くございませんで。ただなぜキムという名前を使って社会活動をしていくかっていうと「キムです。在日コリアンです」と言うと喜んでくれる人がいるからですね。私、大学に入りまして、入ったときは在日だと隠して生活していました。で、大学に入ってですね、同じ在日あるいは同和地区出身の学生、障害を持つ学生、いろんなマイノリティーの人たちと出会う中で、実は朝鮮人なんです、在日なんですって言うと、ああそうなのって言って喜んでくれる、そういう関係ができていった。そして支えてもらった。それがやっぱり大きいわけなんですね。で、ちょっと一言言ったら、さっき私、原稿の中で、「この気持ちがわかるか」っていう言い方をしていたんですけども、在日という立場でそれを言ったからといって私がね、社会で障害者であるとか、女性であるとか、セクシャルマイノリティであるとか、いろんなマイノリティの方々の気持ちが、ではわかっているかっつったら、決してそうではないですね。これは本当はあまり言ってはいけない言葉だと思うんですね。それを言うとマジョリティの方々は口をつぐまざるを得ないような殺し文句になってしまう可能性があるので。ちょっと私はこれさっき使ったのは良くなかったかなと思ったりしたんですけども。はい。まぁあの、在日であるということによって喜んでもらえる人間関係があるということが私の支えになっております。はい。
記者:
あ、それを聞いて。最後の質問に致します。思い出した言葉で。有名な方が強さとは何かっていうことを言っていて。強さとは何か? 弱さを知ることだ。弱さとは何か? 臆病であることだ。臆病とは何か? 大事なものを持っているということだ。大事なものを持っていることは強いということだ。という言葉がありました。キムさんにとって大事なものって何でしょうかね? たくさんあり過ぎるかな?
キムテヨン:
今回も社民党の方々を傷つけました。やっぱりですね。ただ私は、そんなお前が言うなって思われるかもしれませんが、この今回の選挙の向こうを僕は見たいと思っています。だから私は大きな意味で、大きな意味で、やはりあの、ビジョンをまぁ同じくできるというか、人たちとできる範囲でですねやっていきたい。やっぱりそういう広い意味でのまぁ、仲間でしょうかね。はい。
記者:
ありがとうございます。
司会者:
はい。よろしいですかね。はい。それでは記者会見は終わらせていただいて、写真撮影をこの後させていただきます。ありがとうございました。