【会見文字起こし&動画】次期参院選 公認候補予定者発表 木村英子(#比例全国区)、山本太郎(れいわ新選組 代表)/ 2025年6月17日国会内

山本太郎:
さぁ、れいわ新選組、比例ということで皆さんに候補者をご紹介すると言いました。はい。で、まず最初に、今期でこの任期で勇退されるという舩後さん、舩後さんからのお言葉などを皆さんに聞いていただきました。続きましてはですね、まず、れいわ新選組の比例ということで、これから何人も皆さんに紹介をしていくことになると思うんですけれども、今日はですね、まずはこの方でございます。れいわ新選組の木村英子でございます。じゃ、木村さんのほうからご挨拶、よろしくお願いいたします。

木村英子:
れいわ新選組の木村英子です。皆さん、ありがとうございます。私は2019年、れいわ新選組の旗揚げの年に、参議院選挙に特定枠を利用して出馬し、そして国会議員になりました。ですが、当選後すぐに、私と舩後さんの前に立ちはだかった壁。それは介護がいなければ生きていけない私たちが利用している重度訪問介護という制度が、厚労省の告示によって就労には利用できない規定となっていることで、国会の中に介護者と一緒に登院できないという現実でした。その後、私たちは厚労省と参議院と話し合い、就労などが禁止されている告示を変えてほしい、今まで通り、重度訪問介護が利用できるようにと要望しました。しかし重度訪問介護制度の就労を認めてしまうと莫大な予算がかかるとして認められず、参議院が私と舩後さんの議員活動中の介護費用を参議院が負担してきています。今も負担されています。最初は暫定的と言われていましたけれども、未だにこの重度訪問介護での就労は改善されずに6年が経とうとしています。私がこの6年やってきた議員活動は、重度訪問介護の告示の撤廃はもちろんのこと、障害者の日常生活を送る上で生きづらさを生み出している交通や住宅、建物のバリア、そしてハードのバリアも含め、介護や生活保護や教育など、さまざまな問題についても、その現状を訴えてきました。

今まで私がこの6年間、どんな活動してきたか? それは障害者が日常的に毎日毎日、繰り返されるバリアや差別と向き合うことです。その活動を少しご紹介したいと思います。まず私のように大型の車いすのままでは新幹線の中に2つしか席がないんですがそこに乗ることができません。なので私も新幹線に乗るときは入り口のデッキのところに乗ることが多いんです。そんな状況は私だけではない、人たちがたくさんいます。そんな状況の中で2019年12月に国土交通委員会でそのことを改善してほしいということを要望しました。そして、その後、車いすスペース、2席しかなかった、車いすスペースが6席になったり。そして予約が取れない問題についても要望してきて、2021年、東海道新幹線N700Sでは、車いすスペースが2席から6席に増設されました。で、私も一度、席に乗ってみたんですけれども、車いすユーザーの方からは、「車窓が見えるようになって嬉しい」っていうお声をたくさんいただいてます。

で、2019年の11月、初の国土交通委員会の中ではですね、電動車いすやリクライニングでとても狭くて入れない、車いすのトイレの広さについて改善を要望しました。そこでは2021年の3月に、トイレの室内が150cmから180cmへと、回転できるスペースの車いすトイレがつくられるという設計標準が改善されています。

で、優生保護法についてなんですが、やはりこれは障害者が昔から優生思想によって、さまざまな差別を受けている中で、不良な子孫の出生を防止するという優生思想のもとで、1948年に全会一致でですね、可決されて、多くの障害のある人たちが強制不妊手術、そして人工妊娠中絶を強制されたり、子どもを産み育てるという権利が侵害されて、とても苦しい長い歴史があります。そうした差別をなくしたいという思いは私自身の問題でもあるので、取り組んできました。そして2024年の7月に優生保護法の被害者による裁判においてですね、最高裁で違憲の判決が出て、そしてその後、被害者の補償法の成立に向けたプロジェクトチームが立ち上がりまして、私もそこで委員として参加させていただきました。で、昨年の10月にはその補償法がまた成立し、今年1月に施行されたということになっております。

そして私がすごく障害当事者としてとても苦しかった、心苦しいなと思ったこと、それはやはり昨年発生した、能登半島地震では障害者や高齢者の方が避難所に行けず、在宅避難や車中泊をするなど取り残される状況になっていました。それは私自身も震災になれば当然、逃げることは出来ませんので、取り残される存在の1人でもあります。そして昨年のですね、2月に代表質問において、国連防災世界会議で提唱されています、「誰も取り残さないインクルーシブ防災の推進」を総理に提起させてもらいました。そしてそれを受けて、今年5月には災害救助法や災害対策基本法が改正されて、災害時に取り残されている、在宅避難者や車中泊への人に対して直接自宅などに物資の支援や福祉的支援が行えるように盛り込まれました。で、しかし、この災害対策基本法に、地震が起きた際にですね、被災地に救援に行くNPOやボランティア団体が事前に国に登録する、被災者援護協力団体というものが出来たんですけれども、それが創設されましたが、ここに障害のある人が役員である団体は登録が出来ないということが欠格条項で示されました。やはり、その条項の中には心身の障害により被災者援護協力業務を適正に行うことが出来ない者として、内閣府令で定めるものと書いてあり、これはまさに障害者を排除する状況になっているとして、私は総理に対して予算委員会で訴えました。とても私は許せないなと思っています。このような欠格条項って、さまざまな法律の中に入っていますので、こういうことも改善していかないと差別はなくならないんだなっていう風に実感しています。

で、このような差別的な制度、あるいは状況っていうのはまだまだたくさんあって。で、私がこの6年間でやってきたことっていうのは本当にわずかなものです。ただ、私自身、生きづらさをずっと議員になってからも感じていましたけれども、そういう中で議員活動をやってきました。そして…、ああ、そうですね、そして今日、この6年を終わり、この日をここで迎えられたっていうのが、何だか不思議な気持ちがします。なぜかと言うと私、当選したばっかりの時に、私は6年、この障害の体はもつのだろうか?という不安がずっとありました。だから一日一日「あぁ今日終わった」「今日終わった」「あ、1年終わった」という風に思って活動してきたんですが。で、私はそういう中で皆さんに支えられて、特に障害者の仲間たちからの応援、そして介護者の人たちが支えてくれて、そしてたくさんの支援者の人たちに支えられたおかげで今日この日を迎えられたと思っています。皆さん、本当にありがとうございます。太郎さんもありがとうございます。

山本太郎:
こちらこそありがとうございます。

木村英子: 
はい。そして私が国会議員としてここにいられる奇跡。それを実現してくれたのはやっぱりれいわ新選組代表の山本太郎さんのおかげだと思っています。なぜ私がここにいることが奇跡なのか。それは2019年に私と舩後さんに特定枠という制度を使って国会に送り込んでくれた、そのことがすごく奇跡だと思っているんです。この特定枠は政党が優先して議員になってほしいという方に使うことができる制度で、2019年に初めて使われました。で、この特定枠は選挙活動をしてはいけないという規定があるので、私は幸いなことに障害も重いし選挙活動しなくても当選できたっていうところはあります。で、この制度を山本代表が…。あ、すいません。「太郎さん」でいいですか? 

山本太郎:
何でも。好きなように。

木村英子: 
ありがとうございます。太郎さんが使わなければ、私のような重度障害者は絶対に議員にはなれなかったと言っても過言ではありません。なぜなら私の利用している重度訪問介護は、就労や就学だけではなくて告示の中の「『社会通念上適当でない外出』を除く」という文言によって選挙活動も政治活動も認められていないからです。太郎さんは2019年の選挙において、私たちにこの特定枠を使ったことで厳しい告示のある重度訪問介護の制度に風穴を開けてくれました。だから私は重度障害の当事者議員として活動ができたと思っています。しかし私の利用している重度訪問介護の制度にほんの少し風穴は開いたものの、この厳しい外出制限をかけている告示はまだ撤廃されていません。ですから私のような重度障害者は特定枠を使わなければ選挙に出ることは不可能な状況は変わっていないんです。

私は議員になって制度が障害者の社会参加を妨げている現実、そのことに愕然としました。そして今年の3月7日の予算委員会において、重度訪問介護などの参政権。重度訪問介護を使う人たちの参政権を侵害している厚労省の告示を撤廃するように総理に訴えました。総理からは「外出の目的が選挙運動や立候補予定者の政治活動のためにあるということのみをもって、一律にこれを社会通念上適当でない外出に当たるものではない」と答弁されましたが。つまり、立候補予定者以外の障害者の方は選挙期間中しか政治活動を認めないということです。私の立候補は認められましたけれども、そこを応援する障害者の人たちの政治活動も、この選挙活動の期間だけということになります。選挙期間中だけ重度訪問介護の利用を認め、それ以外の政治活動は認めない、そんな障害者の現状を訴える当事者を政治から排除しているものだとしか私は思えませんし、これは明らかな差別だと思います。これは国からの差別です。私たち障害者にとって重度訪問介護は地域で生きるために、なくてはならない命綱の制度です。

また総理からは「自治体の考えを聞きながら解釈の明確化というものを図っていく」とも答弁されました。結局、自治体の解釈に任せている現状は変わらないので、自治体の判断によっては私も今回、選挙に立候補できるかわからない状態ということです。厚労省の通知というものは市町村に出されても、結局、市町村の判断に委ねられています。だから私の重度訪問介護の支給量を決定するのも市町村です。で、それを選挙で使っていいかどうかっていうこともこれも市町村が決めます。ですから、どんなに国がその通知で選挙に出ていいですよっていうことを決めたとしても、まだわからないということです。これは明らかにやっぱり障害を持ってる人たちが国会に対して物を言うことができない、そういう機会を奪っているということになると思います。

で、やっぱり障害者が社会の中で差別されたり、そしてバリアで生きづらい中、やっぱりこう私が今までやってきたことは地域のバリアや差別の中で障害者運動しなくては生きていけない状況でした。そういう中で太郎さんとも会いました。でも私は人と闘ったり、運動したりするよりも、本当にただ当たり前に普通に誰からも差別されたり拒否されたりしないで生きていける社会をつくりたいんです。で、私もそういう意味ではこれからその思いを貫いていかないと、そして運動を続けていかないと生きていけない現実ってものがあります。で、この障害者の社会参加を阻んでいる厚労省の告示を撤廃していくために、私は今回の参議院選挙に重度訪問介護を使って立候補する決意をしました。なので、私はこの制度を使って選挙活動をしていきたいと思っています。はい。すみません。以上です。

山本太郎:
ありがとうございます。木村英子から皆さんへの訴えでございました。重度障害をお持ちの方ですね。24時間介助が必要だという方もいらっしゃるわけですよね。で、そういう方々に対して、じゃあ、その24時間の介助のサービスは使える範囲どこまでですか?ってことを考えると、働きたいですってことになると自分でやれよって話になるわけですね。サービスは使えません。学びたいですってことになっても、そんなもの、お前、自分でやれよ、お前が学びたいだけだろうって。でも健常者は普通に学ぼうと思ったら自分の意思で自分の体で学べるし、働こうと思えば自分の意思で自分の体で働きにいけるわけですけど。重度障害という状態で、それはやっぱり介助がなければ無理ですよってことです。自腹でやれってことですか?ってことなんですね。もちろんそういうことなので、実質はどうなってるかっつったら障害者は家で寝とけってことなんですよ。地域から出るなと。昔は施設に閉じ込めていたけれども、地域移行みたいなことになっていきながらも、今はもうそのように開かれてきたかのように見えるけれども実際は動くなと、じっとしとけっていうようなシステムになっていると。あまりにもあり得ないですよね? これって。この来てくださってる記者の皆さんだっていつ障害を負うかわかりませんよ。一寸先闇じゃないですか? 誰も約束されてる方いらっしゃいませんもんね。難病になるかもしれないし。障害にならなくても難病にならなくても、これは間違いなく高齢にはなるわけですよね? 高齢になった時におそらく車いすを利用したりとかひょっとしたら寝たきりになるかもしれないと。そう考えたときに寝たきりになっても人生楽しめるような、やはりサポートできる国になってってほしいなっていう風に思うわけです。その扉を開くのは、まずは今の重度障害。そこに対するさまざまな道を開いていくってことが必要だろうという風に私も思ってます。で、一方で、選挙。この選挙期間中に関しては、あれですか? 政治活動は選挙期間中であるならば認めるよってことは答弁で取れたと?

木村英子:
そうですね。

山本太郎:
でも、それ逆に言ったら、いい加減にしろって言わなきゃいけないところなんですよ、ここは。何かっつったら、じゃあ、何ですか?と。私たち健常者はいつでも政治活動できるわけですよね。自分の思い立ったときに。演説を聞きに行くことだってできるし、演説をすることだってできるし。ロビイング。もちろん、各議員たちに「この問題に光を当ててください」ということだって、時間と体力あればできるわけですよね。でも障害者に限って重度訪問介護っていうところを見てみたら、これはもう「選挙期間中であればそこはなんとかしようと思うけど、それ以外無理だよ」って言われちゃってると。

木村英子:
そうですね。

山本太郎:
あまりにも、このひどい格差ってないんじゃないの?っていう話ですよね。そこに関して、今回、この重度訪問介護っていうところにしっかりと最大限の自由をってことですね。人間らしい暮らしができるようにっていうことを求めていくということを戦いの旗にあげて、もう一度、これは選挙というところを通して議員資格を取りにいくということを決意したのが木村英子さんでございます。ありがとうございます。記者の方からもご質問あるかもしれません。マイクを回していきましょうか。よろしくお願いします。挙手でお願いします。

記者:
毎日新聞といいます。代表にお伺いしますけれども、今のところ選挙運動との関係に関連してなんですけれども。木村さんが選挙運動を重度訪問介護を使用して行なっていくというお話が今、ありましたが。そうしますと特定枠を前回は利用されて擁立されたわけですけれども、木村さんに関しては今回、特定枠の利用っていうのはどのようにお考えでしょうか。

山本太郎:
特定枠は使えません。木村さんに関して。もちろん、一番最初の選挙のときには、おそらく世間的な一般知名度という部分が伴っていない人が選挙に出るっていうだけでも大変です。そこに加えて障害をお持ちだということを考えると、普通に国会議員になってもらうことはできませんよね。でも一方で木村英子自身がやってきている活動というものは間違いなく国益に資するってことです。ある意味で6年間の任期を通して、さまざまな活動をやっていただく。で、結果は先ほど、冒頭、いろいろ紹介していただきました、ご本人から。いろんな成果はあったんです。でも一番動かさなきゃいけない山はなかなか動かないってことですね。で、ここに関して、当然、もう一回、特定枠でというような声はいろんなとこからあったんですけれど。やはり6年間、ある意味で国会議員という権力を持って、で、もっと大きな権力に対峙し続けるということをやれたということを考えるならば、ここで一度、これは有権者の皆さんに対してこれは審判を仰がなきゃいけないところだろうと。だから指定席にはしないってことです。ある意味でこの特定枠というものを指定席化してしまうというと、趣旨が変わってしまう、私たちのですね。やはり6年間、国会議員として活動したという実績がある限りは、この実績を引っ提げてやはり選挙を有権者たちにもう一度、選んでいただくということが必要。前回は全くそういうことは叶わなかったですね。一般人。そして1人の人間としてこれまで地域で活動してきたという方はやはり底上げしていくためには特定枠を使うしかなかった。一方で6年間の国会議員としての活動などをやはり今度は一般の方々に評価していただかなきゃいけないっていうステージになっていると私は思っています。はい。っていうところですかね。どうぞ。

木村英子:
ちょっと誤解があったらあれなので言っときますけれども。私、当選したときに、次回までに6年超えて、次回までに体力がもったら特定枠を使わずに出ようと思っていました。それはもう議員になるって決めたときから、やはりこの重度訪問介護の告示を撤廃するっていうことが最大の目的です。なぜなら、家から出れなければ社会参加なんてあり得ませんし。まずそこの壁を取っ払わないと障害者が地域に出ていけないっていうことですから。今回の選挙ではやはり重度訪問介護を使って、特定枠を使わないでですね、重度訪問介護が介護を使って選挙に出ることによって、それをやっぱり認めさせる。そのことで地方の障害者の方とか、これから立候補されようとする障害者の方が介護に困らずにですね、重度訪問介護を利用して選挙に出れる体制ができるっていうことが私の一番の目的ですので、そういう意味で今回は使わずに出させていただきました。

山本太郎:
ご本人の意思というものは議員になったときからそういうものがあったということに加えて、政党としても私たちとしてもグループとしてもそういう考え方であったということですね。一方でれいわの比例っていうのはこれは前回選挙で言うならば、前回の参議院で言うならば、おそらく2万5000票ボーダーくらいなんですよ。ある意味でこの票数というのは他の政党の比例議員と比べるとかなり越えやすいと私は思ってます。決して無理とかハードルが高過ぎるってことはないと思ってます。なので、やはりマスコミの皆さんとかは最初、重度障害と難病を持った議員たちが国会の中に入るってことで大騒ぎをしてくださいましたけど、それはもうある意味で一瞬にして終わったんですよね。取り上げられるっていうことは。消費されたわけですよ。コンテンツとして消費されたと私は思ってます。もちろん、その中でもその後、どのような活動をしているのかということに関して注目をしてくださり記事にしてくださるという媒体もあった。でも多くは障害、難病を持った議員が国会の中でどのような活動をしているか、どのようなことを実現していっているかってことに関してはあまり関心を持たなかった。それは世間のおそらく賞味期限が切れてるというような判断のもとに、おそらく記事にさえしなかったっていうところもあると思います。ある意味で彼らの活動というものに関しては、ものすごく大変なものなんですね。今日が最後かもしれないという心意気で毎日を過ごしている。毎日、国会で仕事をしていくというスタンスのもとに、全力でやられてる方々ですから。この頑張りというものであったり成果というものが一般の有権者の方々に伝われば、私は支持されるものであろうという風に思ってます。その広がりをどこまでつくれるのか、既に知ってくださっている方々、そしてこれから知っていただく方っていうものを最大限拡げていく期間となるんだろうという風に思ってます。

記者:
関連でお伺いします。毎日新聞と申します。代表にお伺いしますけれども、6年前にですね、特定枠を使用されて木村さん、舩後さん擁立されて、お二人、当選されたわけですけれども。当時もですね、いろいろご意見等あったと思うんですけど、この1期6年をですね、どのように評価されているのかっていうのが1つ。で、あと特定枠を今回の選挙も含めて今後も使用していくのかその辺りのお考え、その制度自体についてのお考えをお伺いできますでしょうか。

山本太郎:
ありがとうございます。まず特定枠を今後使うのか?ってことに関しては使います。当然、日本という国にとって必要な人材であると、国益に資するというような人材を送り込むためにはやはり必要な枠だと思ってます。一方で他党ではそのような使われ方がしてないだけですね。おっさんたちの延命のために使われている制度でしかないってことです。それを本当に国益に資するという視点から、やはり特定枠を使って議会で活動してもらうという非常に重要なツールだと思ってます。本来ならば私たちのような小さな政党ではなくて、大きな政党がある意味でこういう社会的意義のある使い方をすればいいんですけれど、そんなことしないですね。自分たちのバッジを譲ってまでそんなことしたくないっていう考えだと思うんですけれども。それはもう、よその会社のことなので、まぁそれはもう言ってもしょうがないことですけれども。一方で今回、2019年に旗揚げし、特定枠で2人の議員を生み出したという、1人が難病ALS、難病の舩後靖彦、そしてもう1人が重度障害の木村英子であったと。で、彼らがやってきたことに関して6年間どう評価するかってことですけれども、私は素晴らしい活躍だったと思ってます。うん。で、1期目の6年でここまで成果が出せてる議員なんてほとんどいませんね。そう思います。で、残念ながら国会の中では合理的配慮っていうのはどちらかと言うと言葉だけで終わってしまってる部分があるんですね。本当の合理的配慮というものはまだ獲得できていない状態だと思います。やってます、やってますって言わないと、やっぱり社会的な批判もあるだろうし、世界標準の障害対策っていうものも当たり前に存在してないってことがバレてしまいますから。やっている振りだったり気遣ってる振りはするけれども、しっかりとした合理的配慮は行われていない。彼らが国会の中で活動を十分にできるだけの時間、質問時間さえも確保されていない。そういう意味でも完全に健常者ペースでの国会というのは全く姿を変えてないと思います。一方でそんな中でもやはり乱暴に言うつもりはないんですけど、しつこく食い下がり続けるっていう(笑)。だから僕はもう本当に次のもう1期、木村英子さんが国会議員になるんであるならば、もっともっと木村英子を見せてほしいと思ってるんです。もっともっと木村英子を見せてほしいと思ってます。何のことかわからないかもしれませんけれども、もう存在自体が核弾頭みたいな人なんです、本当は。

木村英子: 
そんなことないですよ。

山本太郎:
(笑)。まぁ何が言いたいかってことですけど、かなりエッジが効いた上でしっかりと理詰めで相手を詰めていきながら獲得していくってことは、私はこの方が議員になる前からずっと見てきたことなので。厚生労働省であったりとか、それぞれの地域で、行政というところと渡り合っていくっていうことに関して、この人は絶対議員になったらいいのにってことで、旗揚げする随分前から、この人には注目していたという存在です。もちろん、話戻ると、この6年間っていう部分をどう評価するか?ってことですけれど。よくぞ、この6年を乗り切ってその上でさまざまな成果を残した。で、それに加えて、もう1期挑戦するという、しかも特定枠ということではなく、一般の選挙。そこで洗礼を受けるんだと。そういった意味で本当にどこまでも肝の据わったというか、腹の括れた人だなっていう風に思います。はい。なのでどんな形になるとしても、木村英子さんとの縁は切れることはない。けれども一番良いのは国会の中で、やはり次の2期目はもう本領発揮と。もちろん十分発揮はしてくださってるんですけれど。本当はもっともっとやんちゃにアプローチしてくださる方だと思ってるので楽しみにしているところです。他、いかがでしょうか。

記者:
フリーランスの白坂です。今、木村さんからですね、お話を聞いて、重い障害を持たれた方は日常生活、非常に困難な場面が多いという話だったんですけども。思い起こせば木村さんがですね、6年前に登場したときから同じようなことをずっと訴え続けられていたんだなと改めて認識しました。で、目の前の話なんですけども、今度、選挙に出られるということで、大変かと思うんですけども、具体的にこういった選挙戦をしたいであるとか、イメージ的なものがあれば教えていただけますか。

木村英子:
そうですね。私は重度障害があるので体調と相談しながらの活動になると思います。でも今まで6年間、それこそ重度障害者が国会議員になったということで、やっぱり多くの障害者の人たちが相談に来られたりしています。また、国民生活(・経済及び地方に関する)調査会などでも当事者の方にやっぱり現状をお話いただいたりしながらコミュニケーションを拡げてですね、その方たちと繋がっているっていう経過というか成果がありますので。やっぱり障害者の現状って、いつ、重度訪問介護であれ、他の同行援護、行動援護を受けている人たちの介護料が自治体によって切られる状態になるっていうことは常に不安なんですよね。で、今現在も十分に介護が、介護制度を受けられずに、それこそ入浴もできないとか、食事も食べれないとか、トイレは行けなくて垂れ流しとか。人によっては病気になってしまって、介護がいなくてそのまま亡くなってしまったり。朝、ヘルパーさんが行くと、そのまま車いすの上で亡くなっているとか。そういう仲間たちの、やはり無念な思いというか、それを私は本当に十分に身近で見てきて。自分もそういう状況になるような立場ですから。そのことを太郎さんからもらった国会へのパスポートをですね、生かして、もう自分が言いたいだけ、この現状を国会に伝えていこうって思っていますので。その方たちを訪ねたり、そしていろんなところで私の経験や皆さんの障害者の現状を各地で話していくことで応援していただこうかなっていう風に思っております。はい。

山本太郎:
ありがとうございます。他いかがでしょうか。手が挙がっております。一番前です。

記者:
東スポです。すいません。以前、お話されてた比例のほうに導入される、れいわローテーション。3年で任期を交代する件ですけど。これ、木村さんとの、もう特定枠でもないということで、どういう風になるのか教えてください。

山本太郎:
あ、そのまま継続です。考え方として、ローテーションはするという。

記者:
じゃあ、木村さん当選されたとしても3年で交代と?

山本太郎:
はい。で、もし当選しなかったとしても。例えばですけれど、枠が今回、どれくらいの議席に及ぶかというのはまだちょっとわかりませんが、その3年後に交代が回ってくる可能性もあるってことですね。

記者:
すいません。あと、導入にあたって、3年後に交代をするんだっていうところは、どう担保するのかっていうのを教えてください。

山本太郎:
これはやっぱり、「れいわ新選組から出ます」と。「比例の公認です」というようなことを決める前に、これは誓約書なり何なりを書くということになってます。その段取りになってます。で、まぁ最終的には何かっつったら、もうその人の気持ちひとつになっちゃうかもしれないですね。ある意味でその誓約書というものが法的拘束力があるのかっつったら、ま、究極はないわけですよ。そう考えたときに議席を泥棒するのか、譲るのかということになるかと思います。最初の約束通り、議席をしっかりと回すということをやって、もう一度、自分自身で選挙に挑むということをやるのか。それとも議席を盗み取るのかっていうのは、もうそれはもう、それぞれの候補者のおそらくもう、恥じないような行動をしていただくしかないっすよね、それはね。で、まぁ性善説に立つわけではないけれども、そういうことは、なかなかないだろうという風に思いたいです。

で、以前ですね、ローテーションということになったときには事前にそういう取り決めをしてたわけではありません。想定されることじゃなかったからですね。水道橋博士が不調ということで、その議席をみんなで回そうという話になった。そこでは約束がされたということだったんですけれども、やはり気持ちの整理がつかないと。月日が経った後に、時間が経った後に整理がつかないということだったので、一旦、そのローテーションという部分は見合わせになったわけですね。ま、そのときには「立候補します」というときからの約束が取れてたわけではなかった。急に決まったということだったので、当然、人間ですから心の揺れはあるでしょうということで受け止めています。一方で、今回に関しては、スタート時から「比例で出たいです」って言われる方に関しては始まりからそのような約束を取り付けた上で前に進むってことになってるので。逆に土壇場になって、結局、その番になって、それをひっくり返すということに関しては、もうその人の人間性っていうとこに託されるということに、おそらくなるでしょう。そう思います。

(中略)

よろしいでしょうか? ありがとうございます。というわけですね、木村英子、もう一度挑戦すると。次は特定枠というような形ではなく、特定枠を使って6年間、国会でかなりのさまざまなことを変えてきたという実績を引っ提げて、今度はですね、れいわの比例から選挙に挑むということでございました。最後に一言、何か皆さんにありますか? 

木村英子:
はい。6年前と同じように、やはり障害者の人たちの生きづらさの現状を変えていくために、やはり障害当事者の議員が国会に必要だと思いますので、微力ながら頑張っていきたいという風に思ってます。ありがとうございました。

山本太郎:
ありがとうございます。障害に特化した話ではないんですよね。障害という部分が突破できたときには、その先には高齢っていう問題にもこれは及ぶ話であると。つまりはみんなにとっての話なんだということですね。ぜひこの戦いの中でも拡げていってもらえればと。私もそれ、できる限りアシストしていきたいと思います。というわけで、ありがとうございました。木村英子でございました。というわけで終わらせていただきます。

※この文字起こしは文字起こしチームのボランティアのご協力のもと公開しました。

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