【文字起こし・字幕入り動画】 参議院議員 伊勢崎賢治(予算委員会 2026年3月17日)

委員長(藤川政人) 
伊勢崎賢治君。  


 
伊勢崎賢治  
中東情勢から入ります。 
資料1。


これ、ちょっと昔の話になります。  
昨年9月の国連総会で石破前総理は、イスラエルのガザへの軍事行動をこの上なく強い言葉で非難し、即時停止を求めました。続く11月のこの場で、私の質問に対し総理は、「日本政府の姿勢は石破前総理と変わりはございません」と答弁されました。ありがとうございました。  
 
総理に確認いたします。  
日本政府は、国際法や国連憲章に反する、そして民間人の被害を伴う攻撃については、たとえそれが友好国であっても是々非々で向き合う、この姿勢はこれからも変えないでいただけるでしょうか? お願いします。  
 


内閣総理大臣(高市早苗)   
委員からご指摘があった、昨年9月以前のイスラエルの軍事行動によってガザにおける人道危機が深刻化する状況についての政府の認識であると承知しております。  
イスラエルともパレスチナとも日本は良い関係を築いています。そして今、イスラエル、イラン、それぞれに日本はお付き合いがございます。当時のイスラエルの軍事行動と今般のイランに対する軍事行動ではそれぞれ経緯と状況が異なりますので、両者を単純に比較することは困難だと考えております。  


 
伊勢崎賢治   
おっしゃるとおり、ガザで日本政府が踏み込めたのは、戦闘が長期化し、民間人の被害が膨大に累積したからでと信じます。  
一方、今月始まったイスラエルとアメリカによるイランの攻撃は、国連憲章のこれ武力の行使に該当します、しなきゃおかしいです。これが許容されるには、ご存じのように、自衛権の根拠、第51条ですね、それと安保理の許可、このどちらかが必要でございます。アメリカとイスラエルはイランの脅威に対する自衛と主張しておりますが、国連憲章上の自衛権の要件となる差し迫った脅威の証拠はいまだ提示されておりません。  
 
今日、問題にしたいのは、これではなくて、こうしている間に子どもを含む市民の犠牲が累積していることです。今、山添議員も指摘されましたけれども。  

資料2。


2月28日、イラン南部のミナーブというところの女子小学校が授業中に空爆を受け、160名以上の命が奪われました。現場は凄惨を極め、がれきの中からばらばらの手足や頭部を回収せざるを得ないほど遺体の損傷は激しく、判別すらつかない状況が報道されております。トマホークミサイルの使用が示唆されており、米軍自身の調査が始まったことは周知のとおりであります。僕、アフガンで米軍の標的システムの体制を身近で見ていた者としては、古い地図を使った誤爆、これでは済まされません、これ。これから多分、米軍によって、あの米軍ですから、ものすごい力量で調査が始まると思います。多分、6カ月もしくは1年かかると思います。  
総理、繰り返しますけれども、この間に市民の犠牲は、特にイラン側で非対称に、非対称に拡大しております。これ比べますと、3桁もしくは2桁、3桁違います、これ。ガザでイスラエルに即時停止を求めたように、アメリカとイスラエルに対し同じ強さで即時停止を求めていただけないでしょうか。これは質問というより、もう嘆願に近い僕の願いであります。どうでしょうか。  


 
内閣総理大臣(高市早苗)   
民間の犠牲者をこれ以上増やさないために今、最も大切なのは、事態の早期鎮静化を実現するためです。そのため、日本として、今もですけれども、国際社会と連携しながらあらゆる外交努力を行なっております。これからも続けて参ります。  


 
伊勢崎賢治   
この犠牲の非対称性、これを念頭に、ぜひ念頭に置いておいてください。よろしくお願いいたします。  
次の質問に移ります。  
ジブチの自衛隊基地についてです。
資料3。  


イラン情勢の緊迫を受け、ジブチに拠点を置く米軍、これキャンプ・レモニエですね、のセキュリティーレベルが上がっております。

これ、フォース・プロテクション・コンディションの図ですね。これ、一番下の緑が正常値、今は黄色のBRAVOに上がっていますから、かなり高いです。当然、自衛隊の基地においても出入口の管理や警備要領の改訂、もしくはROEの見直しなど、警備体制の強化は不可欠であります。これ、してなきゃおかしいです。  
防衛大臣、現在の部隊の対応状況について確認させてください。  
 
国務大臣(小泉進次郎)   
よろしくお願いします。  
部隊、そして隊員の安全確保に万全を期すというのは当然のことであります。現在、自衛隊ジブチ拠点におきましても、情報収集や連絡体制を強化しつつ、必要な警備体制を取っております。ただ、これはもう先生がおわかりのとおりだと思いますが、警備体制の詳細につきましては、我が方の手の内が明らかになり、そのことによって部隊の安全にも関わるおそれがあることからお答えはできませんが、あらゆる事態に対処できるよう、警備に万全を期しているところであります。  
いずれにせよ、ジブチ拠点を取り巻く情勢について、引き続き、常に緊張感を持って情報収集、分析にあたり、ジブチ軍や現地に所在する各国軍関係者とも緊密に連携しつつ、情勢などに応じて、部隊、そして隊員の安全確保に万全を期して参ります。  


 
伊勢崎賢治   
大臣、お父様にはお世話になりました。  
何というのかな、自衛隊にとっては機密情報なんですけれども、米軍にとってはこれオープンソースで確認できます。そこは置いておきます。  
基地の防衛体制が強化されれば、当然、誤射や職務上の過失といったリスクの蓋然性が高まります。当然であります。ここで問題になるのが、海外派遣された自衛隊員が公務中に過失事件を起こした場合の法の空白の問題であります。  
これ日本特有、日本だけにある問題です。  
2020年、当時の河野防衛大臣が国外犯処罰規定の法整備に向けた検討を表明してから既に6年経ってしまいました。老婆心ながら、自衛隊員は厳しい訓練を受けているから大丈夫というような精神論で済む話ではございません。  

さらに、日ジブチ地位協定では、資料5、自衛隊員が犯した過失を含むすべての事犯の裁判権をジブチ側が放棄する形になっております。  

 
しかし、肝心の日本の法に空白があるんです。このままではこの地位協定自体が砂上の楼閣であります。  
この深刻さ、おわかりになりますよね? 我々が逆の立場の日米地位協定において、もし米側にこの法の空白があって、ないですよ、米側にはね。でも、あったとして、それでも裁判権を放棄しろと迫られたら、いくら我々でも怒りますよね、これ。  
 
話を戻します。  
もし事故が起きて、何らかの。ジブチ側からこの法の空白を指摘されれば、日本の国際的な信用は失墜いたします。速やかに法整備を進める決意を伺いたいと思います。防衛大臣、お願いします。  


 
国務大臣(小泉進次郎)   
まず、自衛隊は法令を遵守し任務を行うよう厳しい訓練を行なっており、過失による事故等についても発生しないよう、平素から部隊において安全管理を徹底するなど指導を行なっているところであります。  
さらに、海外派遣部隊の隊員については、現地住民との良好な関係を維持し、事故の未然防止に万全を期すことが最も重要であり、現地状況や活動内容を踏まえた追加的な教育訓練も行なっているところであります。  
このようなことから、自衛隊員が武器を使用して現地の一般住民に危害を加える事態というのは極めて想定しにくいものと考えていますが、海外派遣部隊の隊員の服務規律については重要であり、隊員の過失行為に係る国外犯処罰規定の在り方も含め、不断に検討して参ります。  


 
伊勢崎賢治   
それが精神論なんですけれども、回避していただきたいですね。  
念のために申し添えますけれども、ホルムズ海峡等のこの議論において、法の空白を解消しないまま自衛隊に新たな海外任務、これも交戦性の高い、それを課すことは、これ、もってのほかでございます。過失を裁く国内法が未整備のままでは、隊員もそして現地の人々も守れません。  
国家が命令した行動の結果を法で律することのできない状況を放置するのは、これは法治国家としての不作為にほかなりません。ぜひ心に留めておいてください。もう6年経っていますから、法整備をお願いいたします。 

 
 
時間があれですので、最後の、通告しなかった内容ですので、でもお伝えしたいことがあります、総理。  
日本と同じく米軍基地を体内に抱える湾岸諸国、GCCですね、彼らもこの戦争の巻き添えでイランの攻撃を受けております。これはご指摘のとおりです。  
その結果は、ご存じのように、安保理ではバーレーンが提出した決議が採択され、日本を含む多数の国が共同でイランを非難しました。しかし、その一方で湾岸諸国の本音というものがあります、本音ですね。その本音というのは、戦争の拡大を止めたいということであります。この一点です。  
その象徴が、戦争が始まる直前まで、この戦争が始まる直前までアメリカとイランの交渉を粘り強く仲介してきたオマーンの外務大臣の証言であります。これ、CBSニュースで流れました。どういうことかと言うと、核弾頭の製造につながる核物質を保有しない、既存の濃縮ウランのすべてを可能な限り低濃度にして燃料化する、これ平和利用です、そしてIAEAの全面的な査察を受け入れる、このすべてに実はイランが同意していた、これをオマーンの外務大臣は明言しております。  
つまり、外交の出口が見えていたにもかかわらず、戦争が選択されてしまいました。これはトランプ大統領の戦争の大義を大きく揺るがすものであります。  


私、伊勢崎は、在京の、東京のオマーン大使と共に他の湾岸諸国の大使に呼びかけ、イランへの非難の連鎖ではなく、停戦と核交渉への復帰、これを求める声を日本政府に届けるべく奔走いたしました。先週にはオマーン大使と、在京のオマーン大使とサウジ大使、この両名を石破前総理におつなぎいたしました。  
現在、アメリカは、かつてのイラクやアフガニスタン、このアフガニスタンに僕は付き合いました、日本政府代表として。同様の過ちを繰り返そうとしております。これは止めなければなりません。  
唯一の道は、第三者が対話と交渉の突破口を開くことであります。訪米を控える総理におかれましては、この湾岸諸国の大使たちの表に出ない本音にぜひ耳を傾けてください。非公式で10分でも構いません。お許し願えるなら、私も協力いたします。  
その上で、トランプ大統領に会われ、友人として、停戦、停戦をどうか説得していただきたいと思います。よろしく、これは本当に切な願いです。どうも。  


 
委員長(藤川政人)   
以上で伊勢崎賢治君の質疑は終了いたしました。  


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