
委員長(藤川政人)
次に、天畠大輔君の質疑を行います。天畠大輔君。
天畠大輔
代読します。
れいわ新選組の天畠大輔です。
総理は、2025年10月4日の自民党総裁選で勝利した際、「働いて」を5回も繰り返し、長時間労働への懸念などから賛否両論も巻き起こりました。では総理、今の制度は、重い障がいがあっても働きたい人の背中を本当に押しているのでしょうか。むしろ、当事者からは、働けば働くほど自己負担が増えるという声が上がっています。働くと罰のように負担が増える、それでも総理は「働いて」と言えますか? どういうことなのか説明いたします。

まず、私のような重度障がい者が在宅生活を送るためには、重度訪問介護という国のヘルパー制度が欠かせません。しかし、働く場面に入ると、この制度は使えません。資料1の厚労省告示523号のとおり、就労中の外出は支援の対象外とされているからです。そのため、政府は令和2年10月に重度障害者等就労支援特別事業を創設しました。
資料2をご覧ください。

企業側の助成金と市町村の福祉サービスを組み合わせたこの制度が後に大きな問題を生みます。制度の導入判断は自治体任せ、事務手続きは煩雑、助成金があるとはいえ、企業側にもヘルパーの人件費の一部負担がある、残業にはヘルパーが付かない、ヘルパー派遣事業所の収入減の可能性がある。この制度の課題は山積みです。決して重度障がい者の就労の権利を保障した制度とは言えません。
これらの課題の中でも、本日総理に問いたいのは、働くと障害福祉サービスの自己負担額が2倍になる問題です。
先ほど、働くと罰のように負担が増えると言いました。
資料3をご覧ください。

重度訪問介護は、本人の収入額によっては、月に9,300円または3万7,200円の自己負担が生じます。働く前と後で、支援の中身も量も変わりません。例えば、私が働いていても働いていなくても、生命維持のためにヘルパーは24時間必要です。変わったのは、その時間が仕事中かどうかだけです。しかし、働き始めた途端、重度訪問介護と就労支援特別事業の2つの制度を併用することになります。すると、何が起きるか。2つの制度両方で自己負担が発生する。結果として、自己負担額が2倍になる。障害福祉サービスの自己負担額が月額3万7,200円の場合、月に7万4,400円の負担が生じます。就労中も重度訪問介護を使えれば、自己負担額は3万7,200円で済みます。同じ介助を受けているのに、働くと自己負担額が倍になる。
総理、こうした問題があることをご存じでしたか? ご認識をお聞かせください。

内閣総理大臣(高市早苗)
重度訪問介護は、重度障がい者のご自宅での身体介助や外出時の移動支援を行う障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスでございます。障害福祉サービスの利用者負担は、所得に応じて0〜最大1割、平均では0.3%となっています。
一方、就労支援特別事業は、市町村の予算事業として、通勤時や職場における介助を行うことで重度障がい者の就労を支援して促すものでございます。その自己負担は市町村が判断するものとなっております。
両方の自己負担が生じることで負担感が強くなる場合があるという声は厚生労働省も承知していると聞いておりますけれども、市町村において、利用者の状況や財政の状況など地域の実情をしっかりと踏まえて、適切に実施していただくべきものだと考えております。

委員長(藤川政人)
計測を止めてください。天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
天畠大輔
負担感と気持ちの問題にしないでください。
総理は所信演説で、障がいの有無によって不公平のない社会を目指すとおっしゃいました。自己負担額2倍は不公平ではないですか? 総理。

内閣総理大臣(高市早苗)
この重度障がい者の方の通勤や就労時の介助支援については、事業主には働く障がい者に対して合理的配慮が求められるということや、個人の経済活動に関する支援を公費で負担すべきかといった課題がありますことから、障害者総合支援法に基づく重度訪問介護の対象とはしておりません。
その上で、特に重度障がい者の方々の就労支援をするために、国としても予算事業として令和2年から、事業者の取り組みに対する助成金や自治体への補助事業によって雇用と福祉が連携した支援を実施しております。令和5年からは、厚生労働省において重度障がい者の方々の就労中の支援の在り方などについて調査を実施しております。
重度障がい者の方々の就労中の支援ニーズや企業による合理的配慮の実態なども分析して、検討を進めて参りたいと考えております。

委員長(藤川政人)
計測を止めてください。
天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
天畠大輔
月7万5,000円の負担は重いです。テレビをご覧の方ならすぐ分かるはずです。代読お願いします。
厚労省も出席していたDPI日本会議の就労フォーラムでも、制度の分断による二重負担や地域差が就労の大きな壁だと指摘されています。私自身も、当事者の方々から同様の訴えを何度も受けています。しかし、政府は、課題を認識していながら、実態把握すらしていません。
総理、原因はすべて、どんな場面でも必要不可欠な生命維持の支援を無理やり2つに切り分けて制度設計したことなんです。問題は非常にシンプルです。政府の都合で制度を2つに分けたことで、本人、雇用主、ヘルパー派遣事業所、すべてのステークホルダーにとって負担が増える、これは制度のゆがみではありませんか。
昨年の5月23日に開かれた院内集会には、先ほど言及した厚労省告示523号の制限撤廃を求める当事者らが300人ほど集まりました。約20名の与野党国会議員が駆け付け、当事者から要望書が手交されました。これだけ多くの当事者の声が国会の場で直接届けられています。
総理、与野党の国会議員が問題意識を持っている状況をどう受け止めますか? 重度訪問介護への一本化に向けて検討を急ぐべきではないでしょうか。率直にお願いいたします。

内閣総理大臣(高市早苗)
今、様々なお声が寄せられたというお話も伺いました。
先ほど申し上げました通り、令和5年から厚生労働省において重度障がい者の方々の就労中の支援の在り方などについて調査を実施しております。重度障がい者の方々の就労中の支援ニーズや企業による合理的配慮の実態を分析した上で、検討を進めて参りたいと存じます。

委員長(藤川政人)
計測を止めてください。
天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
天畠大輔
これは重度障がい者の社会参加を進めるための議論です。代読お願いします。
検討に向けて、以前より答弁が前進しました。
通告なしですが、総理に再度伺います。
改めて資料1をご覧ください。

厚労省告示523号により、重度障がい者は、就労だけでなく修学など、社会参加の様々な場面で重度訪問介護は利用できません。これは重度障がい者の社会参加を支える介護保障の在り方そのものが問われている課題です。
総理、この認識に立たれますか? 就労だけを切り出すのではなく、社会参加全体を支える観点から、重度訪問介護への一本化を検討すべきではありませんか。総理のお考えをお聞かせください。

内閣総理大臣(高市早苗)
先ほど、お声を伺った上で検討を進める旨、これはお答えいたしました。
ただ、例えば、就労だけじゃなくて修学も含めてというお話もありました。それはとても大事な視点だと考えております。
それから、就労支援特別事業における自己負担についても、これは事業を実施する市町村で地域の実情を踏まえて判断すると申し上げましたが、この事業についても国が2分の1の補助を行うこととしております。市町村が自己負担なしで実施した場合にも同様の補助を行うことといたしております。
重い障がいがある方が働けるように支援するということは重要だと考えていますので、各市町村における事業の実施状況は注視して参りますし、またしっかりと今、申し上げたようなこと、これ、ちゃんと各市町村で判断してくださいということは周知して参りたいと思っております。

天畠大輔
代読します。
今後も議論しましょう。
終わります。

委員長(藤川政人)
以上で天畠大輔君の質疑は終了いたしました。

