【談話】「2022(令和4)年度 本予算の成立について」れいわ新選組(2022年3月22日)

 2022年度本予算が、本日成立。 れいわ新選組は当然反対した。

 れいわ新選組は、25年に及ぶ不景気から脱却できていない最中に、コロナ災害まで加わったことを鑑み、大胆な経済政策が必要とこれまでも訴えてきた。

 そこに加えて、現在は戦争の影響も加味された財政政策が必要であることは言うまでもない。

 昨年来の輸入物価高騰によるエネルギー、食料価格の値上げによる国民生活の窮乏が発生している事を踏まえ、事業者を支え、日常負担を軽減するために、

・「消費税ゼロ(インボイス制度廃止も含む)」
・トリガー条項凍結解除にとどまらない「ガソリン税ゼロ」
・一律現金給付

を訴えてきた。これらの施策による大規模な国民生活底上げは必須である。

 現在の物価高は、政府の積極財政の後押しで 需要拡大し、賃金上昇を伴うといった健全なインフレではない。

 コロナ禍、日本よりも素早く大胆な財政政策を行った米国などは、昨年の第2四半期(4-6月期)には、GDPがコロナ前の水準を回復した。

 コロナによる輸送や雇用などの目詰まりによる物価高が起きている中、米国の景気回復を受けてドル高・円安となり、輸入物価に悪影響が出ている。

 そして、ここから先は更に戦争による影響も加わる。

 何十年に渡って所得が上がるどころか下がり続ける日本の中で、物価だけ上昇している局面を考えれば、打撃を受けやすい低・中所得者層や事業者を支えるためにも、負担軽減の積極財政が最適な処方箋であり、経済政策の王道と言える。

 一般会計総額が107兆5964億円の本予算は、10年連続で過去最大を更新と報じられているが、その2割となる22.6%は国債の元利払いのための国債費であり、予算規模を大きく見せる水増し予算でしかない。

 英国や米国は予算上の歳出に利払い費だけを含めており、国債の元本償還分まで計上する日本は実態よりも歳出を大きく見せかける水増し幅が大きい。

 債務償還費と利払い費をさし引けば一般会計総額は83.7兆円に過ぎない。その結果、必要な部分への予算上の手当が不足しているのだ。

 個別の項目を見ても、保育・介護の賃上げ、医療分野、事業者支援、就職氷河期世代への支援、家計・学費支援などの景気停滞でまず真っ先に打撃を受ける人々を、十分に救済しうる予算になっていない。

 また、ウクライナ侵略を受けてのエネルギー問題に、中長期的に対応するためにこそ、危機感を後押しにした再生エネルギー普及への後押しが不可欠だ。そのための国による財政支出により、再エネや国がリーダーシップを取った「送電網の強化」や「大規模蓄電池の開発・普及」を図ることは急務である。エネルギー危機の打開には、再エネの供給力強化が極めて重要だがほぼ眼中にはないようだ。

 残念ながら今回の予算も、危機にひんした国民生活を政治が救う決意と覚悟が全く感じられない。日本の経済を25年間弱らせてきた自民党の伝統的とも言える、緊急時でもドケチ予算、と断じる以外ない。

 政府は国民生活の下支えとなる、インボイス制度廃止も含めた消費税負担の軽減、生活者が物価高に対応するための給付金、地方生活者に負担感が大きいガソリン税ゼロなどの施策を実現するための「危機突破のための補正予算」の編成を速やかに行うべきである。  それとともに、並行して岸田首相の提唱する「新しい資本主義」に実質を伴わせるために、格差是正のために不可欠な税の累進構造の強化のため制度づくりに取り組むべきであるということも併せて訴えていきたい。


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