私たちは、本日、衆議院本会議で採決された、「強い沖縄経済と平和創造の拠点としての沖縄をつくる本土復帰五十周年に関する決議」に対し、その採決を棄権した。
国会が、本土復帰50年にあたり「沖縄に対する経済振興と平和創造」にむけて決意を新たにすること自体には私たちも賛同する。沖縄県民の願いでもあるからだ。しかし、本決議の振興策は不十分であり、米軍基地問題や地位協定の見直しについて具体的に述べられておらず、その点は私たちの思いが万全に表現されているわけではない。よって、私たちは棄権という結論に至った。
5月15日に沖縄の本土復帰50周年を迎えるにあたり、私たちは、沖縄のますますの経済発展と、真の基地負担軽減による平和創造を実現できるように使命を果たしたい。
そして、国会においても、「沖縄の持つ魅力と可能性が最大限発揮されるよう、沖縄振興を国家戦略として取り組む」という決議の文字通りに、政府に対してその実現を求めるべきと考える。
しかし、現状の政府及び国会における沖縄への対応を見れば、この決議がまたしても「やってます感」アピールによる、何もやらないことの免罪符だと言わざるをえない。
「沖縄振興を国家戦略に」というのであれば、なぜ、政府は本年の沖縄振興予算を330億円も減額し、10年ぶりに3千億円を割り込ませたのか。
この決議でも「全国最下位の一人当たり県民所得や子どもの貧困等、依然として沖縄の特殊事情に起因する課題」が存在していると述べているが、私たちの国会は、振興予算減額を容認してしまったのであり、そこへの反省の弁がなければ、次に進めないのではないか。
また、決議では「政府は、引き続き米軍基地の負担軽減に向けた責務を果たす必要がある」としているが、これは、政府に辺野古埋め立てによる普天間代替施設となる新基地の建設を引き続き推進させるという意味に他ならない。
おかしいではないか。
沖縄県民は、何度も新基地建設反対の民意を明らかにしている。2019年の県民投票では、有効投票総数の72.15%が新基地建設に反対した。
国土面積の0.6%の沖縄県に在日米軍専用施設面積の70.3%が集中しているという現状と、新基地建設反対の民意を重く受け止め、政府に対して沖縄の民意を尊重するよう国会が強く求めることなしに「沖縄県民の安心・安全」「平和創造の拠点としての沖縄をつくる」と語るのは、沖縄県民への裏切りではないか。
日米地位協定を巡る諸問題についても、この決議では何も触れられていない。コロナ禍において、沖縄県をはじめとする米軍受け入れ自治体において、日本側の検疫が適用されず、感染拡大にいたった。日本国民の安心・安全のためには、日米地位協定は待ったなしに抜本改定が必要であるが、決議はそれを完全にスルーしている。これでは、沖縄の復帰50年という重大な節目に採決する決議には、残念ながら値しない。
以上、私たちは、沖縄振興を支持しているが、この決議ではその実効性が担保されず、政府と国会が全く逆のことをやってきたことへの免罪符にしかならないという考えから、採決に棄権することとした。
れいわ新選組は、この国会決議に関わらず、様々な問題を抱える辺野古新基地建設を直ちに中止・撤回し、米海兵隊は米本土に帰還するという形での普天間基地の返還を実現するべきだと考える。同時に、世界に類を見ない不平等規定が盛り込まれた日米地位協定の速やかな改定を求めていく。
そして、「本土復帰」50年を万感の想いを抱いて迎える、すべての世代の沖縄県民の皆様への連帯を表明するとともに、沖縄の真の平和と発展のために、国が積極財政で人々の暮らしの底上げをしていくように強く求めていく。
2022年4月28日
れいわ新選組