本日6月9日衆議院本会議において、内閣不信任決議案と、細田博之衆議院議長に対する不信任決議案の採決が行われた(与党等の反対多数で否決)。立憲民主党、社民党がこれらの案を提出した。れいわ新選組は、これらの採決を棄権した。
もちろん、岸田内閣と細田衆議院議長は信任に値しない。だから不信任案に「反対」はしない。しかし、不信任案を提出した野党が、これまで国会において問題法案に本気で抵抗してきたかというと、決してそうではない。
私たちは、選挙前に「抵抗してます」感をアピールする季節行事に参加することは、茶番への加担になるのではないかと考え、「棄権」することとした。
この国会では、国民の生活を救う気が全くない不十分な予算案が通され、戦争による物価高に対する消費税引下げすらなく、来週にも閉会を迎えようとしている。与党をはじめとして、この国の経済をさらに衰退させるような国会運営をしたことは、絶対に許されない。2月の予算委員会では、少数会派であるれいわ新選組の質問機会が与党によってつぶされたことも、改めて抗議する。
しかしながら、結果として我が党も、この状況を変える力がまだないことを申し訳なく感じている。
選挙前の会期末になって、毎回のように、不信任案を提出し、そのシーンをテレビで流し、「私たちは政権に抵抗している」とアピールすることが恒例になってしまっているが、野党は、150日間の国会会期中に、どれだけ政権に抵抗してきたのかを自らに問うべきではないか。
今回の国会では、日本のありかたを根幹から変える危険性をはらんだ法案が、しずかに、いくつも提出された。それら問題法案に賛成してきた立憲民主党の責任は重い。
例えば警察法改正案。これは戦後の警察制度を180度変え、戦前・戦中と同じように国家警察機関に捜査権限を持たせる法改正だ。警察庁が国民のプライバシーに捜査介入できるようにする法案を、たった2時間の審議で通すことに加担したことは大問題である。
次に、経済安保法案。決定的な不備を残したまま法案が通ってしまった。経済安保というならば、本来、これまで一部の資本家に対する行き過ぎた優遇策で国内経済の衰退を招き、国内産業の空洞化を推し進めてきたことへの反省に立つ必要がある。
しかし、産業の国内回帰を促進する方向性は示されず、そのための財政措置も行われていない。一方で、特許出願の権利等、国民の経済活動を制限しつつ、経済安保ビジネスに群がる一部のお仲間の権益を拡大させ、政府に都合の良い軍事研究開発を進める法だとの指摘を無視して成立した。
その他にも、今国会では公務員給与を引き下げる一連の法改正が行われた。経済政策の失策により、国民の賃金低下を促してきた政府が、さらに賃金引下げ圧力を強める愚策である。
さらに、問題法案への加担だけではない。今国会ではすでに15回もの憲法審査会が開催された。慣例に反して予算案の審議中にも憲法審査会が開かれている。野党が抵抗を弱めたためだ。すでに戦争放棄をうたう9条についても、条文の書き換えをめぐり、意見が交わされている。
そして、先日可決した補正予算案では、不十分すぎる補正予算に対して、組み替え動議を出したのはれいわ新選組だけだった。
ここまで野党が政権や与党に抵抗しない国会があっただろうか?歴史上、「野党がもっとも協力的だった国会」と記録されるのではないか。何よりその反省が必要である。
れいわ新選組は、野党が与党に徹底抗戦できるよう、最善を尽くしていく。
2022年6月9日
れいわ新選組