れいわ新選組は、日銀総裁人事及び副総裁人事に「賛成」した。
もちろん、日銀の新総裁として承認された植田和男氏が、岸田政権の下で指名されている以上、常に批判的に監視していかなければならない。
その上で、「賃金の上昇を伴う形での2%物価安定目標達成までは金融緩和を継続する」などの植田氏の一連の説明は、この国に生きる人々の生活・事業の維持に必要な対策であり、メディアや一部野党による
「金利を引き上げろ」との誤ったキャンペーンをはねつけるものであるから、今回「賛成」することとした。
れいわ新選組は、2019年の結党以来、政府による大胆な財政出動をうったえてきた。過去30年にわたり、
この国では、企業の海外進出が進められ、国内生産がスカスカになり、輸入に浸食され続けている。
庶民の所得が減らされている。そんなときに、コロナ不況と輸入物価の高騰が直撃したのだ。
この状況において、金融引き締めで金利の引き上げを行うことは、最悪だ。苦境にある中小零細企業がローン返済もできず、融資も受けられず、倒産させられてしまう。そうなると当然、失業も増え、賃金も下がる。
疲弊した実体経済に着目せず、「円安を解消させろ、だから金融緩和をやめろ」は、
違う薬を処方して、患部をより悪くさせるような愚行だ。
まずは、消費税廃止、インボイス中止。
物価高騰への対応のためにも季節ごとの一律10万円給付金。
中小零細事業者の事業継続、そのためのコロナ融資の返済免除、返済延期。
農家、酪農家への肥料・飼料の補助や国による買い上げ。
これらが必要である。
そもそも、問題は、日銀の金融緩和ではなく、政府の財政政策である。
金融緩和の効果が十分に出なかったのは、政府が2度の消費税増税をおこなったことが原因だ。
日銀が金融緩和のパスを出しているのに、政府はシュートをミスするどころか、
2回もオウンゴールしたようなものだ。
これでは、経済が回復するわけがない。
消費税増税をして金融緩和の効果を打ち消した歴代政権に、猛省を求める。
私たちは、植田和男日銀総裁の金融政策運営を批判的に監視しつつ、
政府に改めて消費税廃止と積極財政を求めていく。
2023年3月9日
れいわ新選組
(補足)
なお、植田総裁候補に関しては、任命の報道があった直後から、「長期金利の0%の金利のペッグがハイパーインフレを引き起こす」との過去に発言をしたのではないか、との指摘があった。この点について、参議院議運の質疑でわが会派の質問に対し、植田候補は「YCCを続けることによりハイパーインフレが起こるというふうには考えてございません」と発言したことを確認し、審査の材料として考慮したことをあわせて付言しておく。