本日3月10日で、東京大空襲から78年を迎えました。
太平洋戦争の末期の1945年のこの日、米軍のB-29爆撃機による無差別爆撃で東京の下町の木造家屋の密集地域が炎に包まれました。大空襲により、確認された死者は10万人以上、負傷者は約15万人で、罹災者は約300万人でした。犠牲となった尊い命に対して改めて哀悼の意を捧げます。
戦後、日本と同様に敗戦国のドイツやイタリアでは、元軍人だけでなく市民も対象に、
戦争犠牲者を援護する法律が制定されました。戦争の直接的影響により損傷を受けた場合などの条件を満たせば、手厚い補償が受けられる仕組みです。
全国の各空襲被害都市からの代表者・被害者らでつくる、全国空襲被害者連絡協議会の皆様や、
れいわ新選組も参加している超党派の「空襲被害者等の補償問題について立法措置による解決を考える議員連盟(空襲議連)」では、空襲で負傷し障害が残った生存者らに特別一律給付金50万円の支給をすることなどを盛り込んだ法案を準備しました。この法案の要綱には全野党が賛成し、鍵を握るのは与党・自民党の判断に絞られていましたが、自民党内での反対もあって、法案提出には至っていません。
国と雇用関係にあった軍人や軍属には戦後、障害年金などの援護策がありましたが、
戦争に巻き込まれたかたちで被害をうけた市民への補償は行われてきませんでした。
その背景には、「国あげての戦争により『一般の犠牲』として、すべての国民がひとしく受忍しなければならないもの」という論理があります。これが、戦争に巻き込まれてけがをしたり財産を失ったりした人に対し、国が何も手を打たないことを正当化する法的根拠となってしまいました。最高裁判所が1968年の判決で打ち出したものでした。
被害者の皆様はすでに相当なご高齢です。自民党は心身に障害を負い苦しんできた民間被災者を
このまま放置するのでしょうか。岸田総理は、参議院予算委員会で「政府としては、一般戦災者に対しては、社会保障施策の中で福祉の向上に努めてきた。議員連盟の議論を注視しながら、政府として何を加えるべきか考えていきたい」と答弁しました。しかし、議連が動かないのは与党・自民党が動かないからであり、まさに自民党総裁としての岸田首相の英断にかかっていると言えます。
法案の給付対象者は、推定4600人で予算は23億円と言われます。
このささやかな補償ができない理由はありません。
この国の指導者がかつて起こした過ちに対して、一刻も早く補償を行うことが求められます。
超党派議連の救済法案の成立を実現させるべく後押しするとともに、
自民党岸田総裁には速やかな政治決断を求めます。
最後に。戦争の被害にあうのはあなたであり自衛隊員です。
だからこそ、れいわ新選組は『この国を守るとは、あなたを守ることからはじまる』とうったえ、
戦争当事国にならないための徹底した平和外交と、自国民を飢えさせない経済政策を求めます。
2023年3月10日
れいわ新選組