先進国で唯一、30年間賃金が下がり続け、成長せず衰退国家にまで転落。
その状態にコロナと物価高であえぐ人々や事業者を放置する岸田政権が、
今国会で様々な売国棄民法案を送り出し衆議院を次々と通過させている。(後述する)
これらの法案を廃案に追い込むには何が必要か。
委員会や本会議で反対を延べる一般的な手法では、どうやっても止められない。
与党や太鼓持ちの衛星政党まで合わせれば圧倒的多数となるため、入り口に立ってしまえば(委員会の法案審査などが始まれば)、出口(委員会・本会議での採決)が見えることになる。
会期延長まで視野に入れれば、全て法案は成立してしまう。
現在の与野党のパワーバランスでは、正攻法では太刀打ちできないのだ。
選挙で勝って議席を増やし、与野党の議席を拮抗(きっこう)させてあらがえるようになるまでは、
どれだけ酷い法律が作られても仕方がない、とあきらめるのか。
私たちは、そのような政治家のメンタリティや永田町仕草が、日本をここまで破壊に導いたと考える。
「ちょっとは闘いました」アピールの野党では、悪法の増産は止められない。話にならない。
数が足りないなら身体をはって徹底的にあらがい、法案の審議入りを遅らせる。
採決を阻止するための戦術を重層的に展開し、国会を不正常化させてでも、
悪法の中身をメディアが世間に説明をしなければならない状態を作り出し、
法案の廃案を国会の外の世論に対してうったえる。
そんな、野党のゲリラ戦法が必要だ。
「あきらめ」の姿しか見えない野党に誰が未来を託すのか。
檄(げき)を飛ばし、ここから一緒に本気で闘っていこうと提案したい。
本日、5月12日午後、衆議院本会議で、財務金融委員長(塚田一郎氏)の
解任決議案の採決が行われ、与党などの反対多数で否決された。
解任決議案は、「防衛財源確保法」案の採決を遅らせるためとして、
立憲、共産が共同で提出したものだ。
れいわ新選組にも、この共同提案へのお誘いがあった。私たちは、解任を求めることには「賛成」だ。
一方、悪法「防衛財源確保法」案を本気で廃案にする気が野党にあるのか。
国会の会期末は6月後半。
ただ解任決議を出して否決されて終わりならば、採決は1週間も延ばせない。
そのような、やってますアピールに加担しても意味がない。
真意を探るため、立憲民主党に腹を割って聞いてみた。
委員長解任決議の先には、委員会や委員会を開くための理事会、
理事懇談会などがあるが、それらを開かせないための
「肉弾戦」は考えているのか?
委員会採決後には、本会議に向けての議院運営委員会の開催の阻止や、本会議での牛歩にいたるまでの身体をはった戦いをする覚悟があるのか?
ただでさえ、先日の売国棄民予算にれいわ新選組が牛歩したことに関して、
与党と共に厳重注意処分に合意した立憲民主党であるが、直接聞いてみた。
立憲側の回答は、否定的だった。
この時代に肉弾戦や牛歩は難しい、と。
単に3日、4日採決を遅らせ、「ちょっとは闘いました」と有権者にアピールして
お茶を濁すための解任決議案ならば意味がないので、共同提案はお断りした。
本日、衆議院議員の大石あきこ共同代表は、本会議場で抗議の用紙をかかげ
「闘う野党の復活」を求めた上で、委員長解任決議案に賛成票を投じた。
(画像は、かかげた用紙)
1人であらがってバカだ、意味がない、と思う人もいるだろう。
私たちも人の子。
できればこのような行動は、やりたくないのが本音だ。
けれども、与野党茶番の中、粛々と破滅に向かう状況で、最後まであきらめずにあらがう議員が
たった1人でも存在することが重要であり、それが人々から託された議員の使命でもある。
この国のオーナーである国民が、
地べた這いずり回ってでも悪法を止めろと野党を叱咤激励し、
身体をはってでも悪法を止めなければならないという使命感を、国会議員に取り戻させて欲しい。
現在、日本の壊国に全力で取り組む政権のねらいを国民に提供するメディアは数少ない。
一方、現在の日本が邁進する姿をシンプルに伝えているのが、海外のメディアである。
米雑誌「タイム」は最新号の表紙を岸田首相が飾り、記事では「岸田氏が「長年の平和主義を捨て去り、
自国を真の軍事大国にすることを望んでいる」と紹介された。
そもそも、この国会における悪法は防衛財源確保法だけではない。
代表的なものだけでも、以下のように、7本もの法案が衆議院を通過している。
数日は抵抗しても、これ以上できることはないとあきらめ、
身体もはらずに簡単に通ってしまっていること自体がおかしい。
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衆議院を通過した悪法
その1
防衛財源確保法:安保3文書の内容を実現するため、5年間で43兆円の防衛費増額を行うために、国立病院機構等の積立金や復興税の防衛費流用に加え、そのほかの増税をも可能にする法案。
その2(衆・5月 9日通過)
防衛産業基盤強化法:国内の老朽化した自衛隊の装備の安定調達の確保とは名ばかりで、法案の内容の大半が防衛装備移転支援(つまり「武器輸出支援」)に費やされている法案
その3(衆・3月30日通過)
GX推進法:GX移行債という原発推進にも使うことのできる国債(ニセ環境債)の発行を可能にする原発温存法案
その4(衆・4月27日通過)
GX電源法:原発の60年超運転のほか、原発活用による電力安定供給を「国の責務」と原子力基本法に明記し、破綻した核燃料サイクルを継続するなど、原発事故の反省を完全にかなぐり捨てる法案
その5(衆・4月27日通過)
マイナンバー法改正案:かけがえのない健康保険証を廃止し、マイナカードに一本化するとともに、税、社会保障、災害対策の3分野の事務に限定されてきたマイナンバーの利用範囲も拡大し、マイナンバー活用の範囲を、法改正ではなく政省令の見直しで利用できるようにする法案
その6(衆・4月13日通過)
健康保険法改正案:75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度の保険料の負担上限額を引き上げる法案
その7(衆・5月 9日通過)
出入国管理及び難民認定法改正案:難民申請中の本国への強制送還停止を原則2回に制限する内容で、迫害の恐れがある外国人を本国へ帰すことも可能にする法案
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その他にも、多くの法案が大小の問題を抱えているが、この7法案は極めて凶悪だ。
これらが「すし詰め状態」で審議されたのが、今通常国会である。
「放送法の中立性」が今国会前半では話題になった。だが、メディアでは入管法改正案以外は、
ほとんど問題意識をもって報じられていなかった。
国民の知る権利は保証されていないことも大きな問題だが、同時に野党が「国民に見える形」で抵抗し、
闘わなかったことは深刻な問題である。
今回、委員長解任決議案の火種(ひだね)となった防衛財源確保法は、まだ衆議院の委員会採決が行われていない。しかし、それ以外の法案は既にすべて衆議院を通過している。(その6は本日参議院で可決成立)
野党第一党の立憲民主党も大半の問題法案には反対している。
しかし、野田政権以来の「武器輸出三原則」の骨抜きの結末ともいえる防衛産業の輸出促進を支援する問題のある法律(その2)については、立憲も賛成した。このあと、三原則の更なる緩和が国会審議を経ずに行われる危険性がある。
すでに衆院通過の6法案は、全て「起立採決」で行われ、
国会議員個人がそれぞれの意思や思いを表明できる「記名投票」では行われなかった。
あの最もメディアで報道された入管法改正案でさえも起立採決だったのだ。
この国を破壊し続ける最大の悪は言うまでもなく自民党である。
その巨悪と戦えるのは野党しかいない。
覚悟を決めるときだ。
今からでも遅くない。
「闘う野党」の再生を私たちは国会の内外に向けてうったえる。
れいわ新選組は、仮にそのような決意を野党第一党が新たにするのであれば、その戦線の一角に喜んで参加し、自公政権(そして維新、国民民主党)などの主導する大政翼賛会化を食い止めるために闘う。
2023年5月12日
れいわ新選組