政府は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を危険と認めながら、
即時に返還せず、「移設」と称して県内の辺野古での新基地建設に固執している。
昨日(10月4日)を期限として、政府は沖縄県知事に「指示」を行い、
防衛省による辺野古の設計変更申請の「承認」を求めた。
玉城デニー知事は「承認」をしなかった。
私たちはこの知事の決断を支持する。辺野古での基地建設は、
沖縄県民が何度も住民投票や選挙で「反対」の意思を示しており、中止するしかない。
そして、「平和の党」を自称していたはずの公明党の斉藤鉄夫国土交通相は、
その翌日の本日(5日)、国が県に代わって承認する「代執行」のための訴訟を
福岡高裁那覇支部に起こした。
政府の対応に抗議し、訴訟の取り下げを求める。
沖縄では、戦後、米軍によって居住地などが強制接収され、
住民の意思とは関係なく基地が造られた。
今、政府によって基地が固定化され、
世界でも有数の美しい海である辺野古・大浦湾が壊されようとしている。
サンゴ礁やジュゴンといった生物多様性に富む海域へ大量の土砂を投入している。
しかもそれには、78年前、凄惨な地上戦で20数万人が命を落とした
沖縄県南部地域の遺骨が眠る土砂を使おうとしている。
そして、米軍基地が集中する沖縄を含む南西諸島全体が、
米中対立の最前線に立たされようとしている。
今年6月に公表された「政治参加と沖縄に関する世論調査」では、
「沖縄県内の軍事基地は有事の際に攻撃対象になる」とした人は83%、
「沖縄に米軍基地が集中しているのは不平等である」とした人は70%、
辺野古への移設は「沖縄の基地負担の軽減にはならない」とした人は72%に達した。
米国という宗主国のために、再び沖縄を捨て石にし、
日本を捨て石にするやり方を許してはならない。
自公政権が踏みにじるのは沖縄県民の民意だけではない。その悪政の刃は今この国に生きる
すべての人々に向けられている。税や社会保険料の値上げしかり、事実上の消費増税を弱い
個人事業主に押し付けるインボイス制度の強行しかり、沖縄でも大きな問題になっている
飼料の高騰による畜産農家の苦境しかりだ。国民生活が踏みにじられている。
今、日本が行うべきは、米国が煽り立てる米中対立の路線に追従することではなく、
地域の緊張を高めないための平和外交の遂行と、
国内生活者、事業者への大胆な政府支出である。
私たちは、辺野古新基地建設の強行を許さず、
売国棄民政権を終わらせるために全力を尽くしていく。
2023年10月5日
れいわ新選組