外務省は1月28日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA/ウンルワ)への
2023年度補正予算に盛り込んだ約52億円(3500万ドル)の
資金拠出を一時停止すると発表した。イスラエルにより侵攻を受けているパレスチナ・ガザ地区の「壊滅的人道状況」の中で、最大の人道支援機構への妨害であり、多くのガザ住民を飢え死にさせかねない暴挙である。
1月26日、国際司法裁判所(ICJ)がイスラエルに対し、
ガザにおけるジェノサイド(集団殺害)行為を防ぐための暫定措置命令を出したその同日、イスラエルが「ハマスによるイスラエルの攻撃にUNRWAの職員が関与していた疑惑」を
米国に伝達したと大きく報道され、
そこから西側諸国のUNRWAへの資金拠出の停止があいつぎ、
1月28日に日本政府も停止を決めた。
2月1日までに日本を含めた18か国(米、独、日、仏、スイス、カナダ、オランダ、イタリア、豪州等)が拠出停止を表明。
停止される資金は、UNRWAの予算の4分の3以上に相当するという。
一方、欧州でも、ベルギー、アイルランド、ルクセンブルク、スロベニア、
スペイン、ノルウェーの各国政府は、継続を表明している。
イスラエルは、ICJの暫定措置命令から世界の目をそらせ、
ジェノサイドへの批判を相対化することに成功したといえる。
国連は、1月26日の数日前に、すでにイスラエルから同疑惑を伝達されていたとされ、
UNRWAは早々に疑惑の調査開始と、関与が疑われる職員の解雇を発表した。
国連事務総長は、資金拠出に関し、
日米を含む主要拠出国など35か国とEUの代表を招いた緊急会合で
「このままでは2月末にもUNRWAの資金が枯渇し活動中断を余儀なくされる恐れがある」
として、再考を促している。
人道支援などを行う世界の28のNGOも資金停止に深い懸念を表明し、
停止の撤回と人道支援の拡大を求める共同声明を発表している。
ノルウェーの外相は、UNRWA職員の攻撃への関与の可能性に懸念を示しつつ
「何百万人もの人々を集団的に罰するべきではない」としている。
資金拠出の停止は、パレスチナ住民への集団懲罰であり、
ジェノサイドへの加担であり、ICJの決定の本旨に逆行するものであり、あってはならない。
UNRWAの1万3千人いるとされる職員の中に、ハマスに加担した職員がいようと、
イスラエルに加担した職員がいようと、
それがUNRWAの組織本体への資金停止の理由にはならない。
しかもイスラエルの訴えは疑惑の段階であり、国連は調査等の対応を行っているのだ。
れいわ新選組は、UNRWAへの資金拠出停止に強く抗議するとともに、
日本政府にはこれまで以上の資金拠出を求める。
そして、重ねて速やかな停戦を求める。
また、私たちはわずかばかりであるがUNRWAへの寄附を行う。
思いを同じくする人々にはUNRWAへの寄附による連帯をお願いしたい。
※UNRWAへの寄附サイトは以下
https://donate.unrwa.org/Japandonates/~watashino-kihu
私たちは、パレスチナでの占領政策を終わらせようと声を上げる人々と連帯していく。
2024年2月3日
れいわ新選組