【代表談話】憲法記念日(れいわ新選組代表 山本太郎 2024年5月3日)

国民の生命や権利を守る気概のない者たちに政治を任せれば
憲法上の権利は見事なまでに無視される。

2024年1月1日から私達が目の当たりにした現実は
そのことをはっきりと思い知らせてくれた。

1月1日能登半島と周辺地域を襲った大震災でこの年は始まった。
正月休みの帰省者を含めれば、
被災地には登録された住民以上に多数の方々が被災され、
支援を必要としていることが十分想定できた。
案の定、被災市町では食料など必需品の備蓄は早期に尽き不足。

災害時、自衛隊炊き出しの食材は基本、自治体が準備するのがルール。
でも今回、当然その前提は成立しない。
現地に入る際、追加の支援物資にも大量の食料を持ち込まなければならないが、
そのような政府からの指示はなかったようだ。

それを表すのが、はじめて珠洲市で行われた、自衛隊による炊き出し。
発災5日後の1月6日。準備されたのは、100食だけ。

現場の自衛隊員が持ち合わせていた食材を工夫し、
何とか100食だけを提供することができた。
自衛隊員の機転と思いに感謝すると共に、
食材を搬入する指示をしていない政府の無能さにめまいがする。

2月末時点で、珠洲市における必要食数は、「一食」あたり2500食。

発災から2ヶ月近くが過ぎた頃でも、
自衛隊による珠洲市での炊き出し提供数は、
「1日」で1640食。圧倒的に足りていない。

国会で総理に対し、自衛隊炊き出しの提供能力の増強を求めたが、
間も無く、自衛隊による炊き出しは撤退。
上下水が壊滅的な被害を受けた地域においてこの非道ぶり。

他にも、能登町で行われた「はじめて」の炊き出しは1月28日、300食だけ。

奥能登で水道の復旧が遅れる中、携帯型トイレの供給も減っている。
そもそも在宅避難者数から割り出された必要な携帯トイレの数を
現地に提供する考え方は取られていないため、圧倒的に数が足りていない。

そのため、トイレに行く回数を減らす、15分かけて避難所のトイレに通う、
トイレに行きたくならないように水分補給や食事を減らし体を悪くする。
被災地域では、そのような壮絶な状態が放置され続けている。

当たり前に食べ物があり、水があり、安心して寝ることのできる場所がある。
その最低限の権利が保証されないままの状態で、
4ヶ月以上も生きることを余儀なくされている多くの人々がいる。

一番恐ろしいのは、
政府や自治体のトップがこの現実を直視せず、
「そろそろ被災地も自立すべき時期だ」と支援を縮小、
3月下旬で打ち切ってきたことだ。

平時には1日1人250リットルの水が必要だが
被災地ではまだ水道が通らず、
高齢者が一世帯1日20リットルの水をもらいに並ぶ。
飲み水さえも不足する状況を政府に説明すると、

「店にはペットボトルがあるから買えばいい」

との答弁で切り捨てる。

憲法25条
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」

もちろん能登の震災以前から、憲法は守られていない。
30年の経済災害の中、コロナで物価高でも
大胆な減税も社会保険料の減免も行わず、
日本国民の6.5人に1人が貧困であっても事実上の放置プレイ。

憲法15条
「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」

国民が貧困化する中でも、金と票で政治家・政党を子飼いにし、
政策を買収する大企業・資本家は毎年、過去最高益を更新し続けている。
富裕層が世界で2番目に多い国は日本だ。

自民党の4分の1の議員は裏金をネコババしても辞職せず、脱税し放題。
その泥棒たちも加わって、政治と金のルールを変える、という。
国会自体が強盗団の補完勢力になりつつあることを危惧する。

この状況で、
憲法13条
「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」
など保証されるはずもない。

この現実に、この国のオーナーである国民が気づくことができなければ、
さらなる生活の破壊と国の切り売りは加速。
将来、形の上での国は残っても、そこに生きる人々には地獄が広がるだけである。
それを止めることができるのが政治だ。

ここまで社会を破壊してきたのも政治。
それを変えるのも政治。
それを動かせるの、あなたであり、わたし。

憲法12条
「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、
国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」

不断の努力を怠たり、
無関心の先頭に立つような人物が、昔のわたしであった。
だからこそ、今、やれることを全力でやりたいと
自分なりに必死に取り組んでいる。

30年の不況にコロナ、物価高においても大胆な経済政策もやらず棄民。
一方、特定の者たちだけが肥え太るための政治をやめない永田町。

コミュニティを守る、何でもやる、先頭に立つとリップサービスだけで、
能登半島地震で被災された方々をだまし、
国土面積の0.45%の地域の生活復旧さえも真剣に取り組まずに見捨てている。

多くを失い困り果てた人々を前に、必要な施策でさえもコストだと、
金がかかるのだとして、前に進めない外道。
存在自体が憲法違反の者たちから国を取り戻すことを急がなければならない。

このような輩たちは口を揃えて憲法改正という。

30年にわたる経済災害でも国民を棄民し続け、
そこにコロナと物価高が重なっても国民を救わず、憲法改正?

災害時における衣食住、
ライフラインは民間の善意に甘えるのではなく、
国が全面的に行うこともせず、憲法改正?

寝言は寝てから言え。

まずは、失われた30年を取り戻す経済政策と、
一刻も早い奥能登の生活復旧と災害前以上の復興が最優先。
これこそが、憲法を守る政治である。
その先頭にれいわ新選組が立つ。

2024年5月3日
れいわ新選組代表 山本太郎


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