本日、出入国管理及び難民認定法(いわゆる入管法)改正案が参議院本会議で可決され、成立した。れいわ新選組は反対した。
この改正案は、在留カードの不携帯といった些細な違反をしただけでも、厳しい審査を経て永住許可を得て、日本に生活基盤を築いた永住外国人の在留資格を剥奪することが出来るようにするという、とんでもない改悪である。
そもそも今回の改正案は、技能実習制度に代わる新制度である育成就労制度の創設が柱であった。このような在留資格の剥奪ができるという内容は当初の案にはなかった。ところが、自民党から「永住許可制度の適正化」を検討するよう求められたのを受け、政府が有識者会議などでの検討も経ず、唐突に法案に加えたものだ。
昨年6月に成立し、今月施行された入管難民法改正は、入管施設で行われている非人道的行為や暴力を放置するだけではなく、命からがら逃げて来た人たちを「難民」と認めず、命の危険がある場所に積極的に送還する、という人命・人権を脅かす悪法であった。
今回の入管法改正案は、より一層、日本で暮らす外国籍の人々を脅かすものであり、差別を助長するものであると言わざるを得ない。
税や社会保障費等公租公課の故意の滞納をした場合や、刑期が短期、或いは執行猶予がついたとしても拘禁刑が宣告された場合、永住者の在留資格を剥奪するのは当然だ、との声もある。しかし公租公課の未納は、日本国籍であっても、外国籍・無国籍であっても、国籍を問わず、法律に従って督促や差押、行政罰や刑罰といったペナルティを科せば足りることである。
また、極めて短期間の拘禁刑や、執行猶予がつき社会内での反省と更生が求められる場合にも、永住資格を取り消して生活基盤そのものを破壊することは、執行猶予判決等を下した裁判所の意向と判断を無視した二重の制裁にあたると言わざるを得ない。
人権とは、すべての人が当然享有することのできるものであり、外国籍であることを理由に人権を軽視することは許されない。外国籍・無国籍の人々に対してだけ従来のルールを超えて、入管の広範な裁量で永住資格を剥奪し、生活の基盤を軒並み奪ってしまうことができるような仕組みを作ることは、外国籍・無国籍の人々に対する苛烈な差別以外の何ものでもない。
れいわ新選組は、昨年の入管法改悪に続き、今回の人命・人権を侵害する改悪に強く反対する。
2024年6月14日
れいわ新選組