【声明】沖縄県内・米兵による少女誘拐性的暴行事件の隠ぺいに抗議し、再発防止を求める(れいわ新選組 2024年7月5日)

沖縄県内での米兵による性的暴行事件が相次いでいるが、
政府(外務省)が手続きを守らず、県や市町村に隠していたことが判明した。
政府の対応に、怒りをもって抗議する。

(被害者の保護と補償、再発防止について)
昨年12月、沖縄県内で、米空軍兵が16歳未満の少女を誘拐し性的暴行を行い、
今年3月に起訴された。政府(外務省)は3月に事件を把握していたが、
県に伝えず、3か月も隠ぺい。
裁判所の公開情報でマスコミが事件を知り、それにより県が知るにいたった。
なお、米軍も、手続きを守らず沖縄防衛局への通報をせず、謝罪すらしていない。
県警など捜査機関も、事件を非公表としていた。
これでは、人々の尊厳や人権を守るどころか、被害者への補償やケアに支障があり、
県民への注意喚起など防止対策も取れない。再発防止が必要である。

(隠ぺいの原因究明と日米地位協定の運用及び見直しについて)
この事件だけではなく、今年5月にも米兵が成人女性に暴行しようとして
けがを負わせたとして起訴されているが、やはり報道で明らかになるまで、
政府は沖縄県に知らせていなかった。
さらに、昨年以降で政府が隠していた米軍関係者による同様の事件が
3件あることがわかった。

ただでさえ日米地位協定によって、米軍人の公務外の犯罪は、
起訴するまで容疑者の身柄が日本に引き渡されないなど、
自国で起きた犯罪を日本の警察が円滑に捜査できない問題がある。
1995 年の米軍人による少女乱暴事件を契機に運用改善はされたが、
今回の少女誘拐・性的暴行事件では適用されなかった。
さらには日米合意した犯罪発生時の通報ルートとして、外務省から、
また、米軍からの2方向から沖縄防衛局が通報を受けるルートがあるが、
今回、通報基準に該当する事件であるのに、いずれのルートからも通報がなかった。
守られるべき手続きすら守られていない。

政府は、沖縄県に過重な基地負担を押し付け、国民を守る姿勢がまるでない。
この国を守るとは、国民を守ることではないのか。
これまでも沖縄県において、日本復帰の1972年から2023年までの51年間、
米軍人・軍属らの刑法犯件数は6,235件(うち凶悪犯は586件)で、
今なお悲しい事件、事故が繰り返し日常的に起こっている。
今回の米兵事件で、政府は、沖縄県に連絡しなかったのを「プライバシー保護」だと
言い訳しているが、県がプライバシー保護に配慮して非公表とした事例もあり、
理由にはならない。
戦後79年間、米統治下と変わらない状況があり、
沖縄の日本復帰52年で一体なにが変わったのか。
沖縄県民の人権、子どもの人権が保障されず、平和を求めても叶うことがない。
県民の願いを、政府が踏みにじるのは許されない。

(沖縄と全国の格差是正について)
沖縄では、給与所得が全国と比べて約8割と低く、
子どもの貧困率が29.9%で、全国13.5 %の約2.2倍とされる。
事件事故を未然に防ぐ対策としても、「こども基本法」等に基づき、
政府が責任をもって孤立や貧困の問題を解決し、積極的な財政措置を取るべきだ。
また、米国に隷属、忖度する外交を直ちにやめ、
沖縄県民・国民の安全と尊厳を守ることが必要だ。

れいわ新選組は、追って、政府等に対し、下記を再発防止策として要請する。

1. 被害者への保護と補償と再発防止策に万全をつくすこと
2. 米軍人の犯罪について、日米で合意された県への通報手続きすら機能しなかった原因の検証を、防衛省、外務省、警察庁等関係者と合同で速やかに行い、結果を公表すること
3. 現在の日米地位協定の運用の在り方について、沖縄県のみならず全国の米軍基地受け入れ自治体の首長や議会を交えたヒアリングを行い、日米合同委員会その他の場において米国側に速やかな改善を要求し、地位協定自体の見直しにつなげること
4. 沖縄県内の過重な米軍基地施設の整理縮小・撤退および海兵隊のグアム移転は、時間をかけることなく迅速に行うこと
5. 先の通常国会で成立した「こどもの貧困の解消に向けた対策の推進に関する法律」や、2022年に成立した「こども基本法」第3条第2号の「全てのこどもについて、その生活を保障されること」に基づき、積極的な財政措置を行い、保護から漏れてしまう子どもがないよう、子どもシェルターの支援確保を進めるなど、沖縄県の取り組む子どもの貧困対策に支援を行うこと

2024年7月5日
れいわ新選組


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