長崎に原爆が落とされてから、79年目の夏となる。
犠牲となったすべての人々に、哀悼の誠をささげる。
来年は被爆80年となる節目を迎えるが、今なお、ウクライナ戦争やガザ虐殺が止まず、「核戦争のリスクはこの数十年間で過去最高レベルにまで悪化している」と国連のグテーレス事務総長は述べている。
ロシアの度重なる核の威嚇に加え、イスラエルの閣僚がガザへの原爆使用を「一つの選択肢」と述べた。また、アメリカの連邦議員が、広島・長崎への原爆投下が「戦争を終わらせた」と正当化しつつガザに対する核使用を示唆したことに、被爆国として、日本は断固抗議すべきである。
また、長崎市平和祈念式典に、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ及びEUなどの駐日大使がイスラエルの不招待を理由に欠席を表明した。
平和祈念式典は原爆犠牲者を追悼し、核廃絶と平和を追求する場である。原爆投下によるすべての犠牲者や今なお後遺症に苦しむ方々の尊厳を踏みにじるものと言わざるをえない。被爆地への冒涜のみならず、「地上の地獄」であるガザの現状を追認することでもあり、到底理解できない。
核軍縮・核廃絶を真剣に求めていく気があるのか。
世界の核兵器の総数は1万2120発(2024年6月現在)、しかも、実際に配備及び貯蔵されている核弾頭の数は9,583発で、2018年からの6年間で3.6%増加、「使える核兵器」は増えている(※1)。
すでに、米科学誌「原子力科学者会報」の「終末時計」は、過去最短の「90秒」と進んでいるのだ。
「長崎を最後の被爆地に」。
今こそ、その思いのもと力を尽くしてこられた被爆者はじめ核廃絶をめざすすべての人びとと連帯し、唯一の戦争被爆国として、「核兵器のない世界」の実現をれいわ新選組は目指していく。
自治体や市民ひとり一人は、核兵器の廃絶に向けて着実かつ力強い歩みを進めていることを忘れてはならない。
核兵器禁止条約については、17の府県知事が賛同し、全国の39%にあたる679の市区町村議会から、署名・批准を求める意見書が出されている(※2 なお、オブザーバー参加のみを含めるともっと増える)。
このように多くの議会で、党派を超えて賛同となった事実は重要だ。市民による働きかけが、議会を動かしているのだ。
非核都市宣言を行なう自治体も増えている。長崎市が会長である非核平和都市宣言自治体協議会によれば、この1年でも6つの自治体が宣言を行い、358に達した(※3)。すべての自治体が宣言を行うよう求めるとともに、さらに進めて、法的拘束力のある非核条例を制定する動きを加速させる必要もあるだろう。
問題は、こうした努力を日本政府が受け止めておらず、それに逆行する動きを見せていることだ。
核兵器禁止条約については、政府ばかりでなく、国会議員、とりわけ自民党と日本維新の会に所属する議員の認識も遅れている。核兵器禁止条約について、れいわ新選組は全議員が賛同しているのに対し、両党の賛同議員は1割に満たない。国会議員全体で36%にとどまっているのは、そのためである(※2)。
被爆国の国権の最高機関として、恥ずべき状況と言わざるをえないだろう。国会議員は、全員が核兵器禁止条約に賛同すべきである。
長崎平和宣言では「北東アジア非核兵器地帯」構想がたびたび提唱されている。日本、韓国、北朝鮮が非核国となり、アメリカ、中国、ロシアがこれら3カ国に核攻撃しないと法的保証をするという提案だ。
れいわ新選組は、核廃絶と北東アジア非核化を目指し徹底的な平和外交を公約に掲げている。絶対に戦争をさせない、そのために、引き続き、行動していくことを改めて誓う。
そして、国民のみなさんに一緒に状況を変えていこうと呼びかけたい。
2024年8月9日
れいわ新選組
(※1)長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)の研究結果
https://www.recna.nagasaki-u.ac.jp/recna/bd/files/NWH-j2024_p.pdf
(※2)議員ウォッチ「核兵器 Yes or No」
https://giinwatch.jp/
(※3)日本非核宣言自治体協議会ウェブサイト
http://www.nucfreejapan.com/