能登半島地震被災地のための復興ビジョンの提示と物的・人的支援拡充の要請(2024年9月26日 れいわ新選組)

山本太郎 れいわ新選組代表は2024年9月25日、豪雨災害に見舞われた能登半島地震被災地を訪問した。
元日の能登半島地震の被害から復旧が進まぬ被災地に、9月21日、記録的な豪雨が襲ったことで浸水・土砂被害が拡大、断水が長期化している。

本日、れいわ新選組を代表して天畠大輔参議院議員が政府に要請書を提出。
国が復興までの道筋を示した上で早急に補正予算を編成すること、物資支援・応援職員の拡充等を求めた。


令和6年9月26日
内閣総理大臣            岸田 文雄 殿
内閣府特命担当大臣(防災担当)   松村 祥史 殿

能登半島地震被災地のための復興ビジョンの提示と物的・人的支援拡充の要請

れいわ新選組代表山本太郎は令和6年9月25日、豪雨災害に見舞われた能登半島地震被災地を訪問した。
元日の能登半島地震の被害から復旧が進まぬ被災地に、9月21日、記録的な豪雨が襲ったことで浸水・土砂被害が拡大。断水が長期化する状態も踏まえて以下、要請する。

1.先行きを示せ。復旧・復興への国のビジョンを示し、実現のための補正予算組みを。

 地震被害を受けて仮設住宅に入った、半壊だが何とか自宅で暮らせる、と生活復旧の途上で、豪雨災害に見舞われた被災者は、この先この地域に住み続けることができるのか不安の中に取り残されている。
 このまま住み続けて大丈夫なのか、広域避難するのか、いつ住宅再建できるのか、公営住宅に入れるのかなど、その「先行き」を自治体任せにせず、早急に国がバックアップを行い、
責任を持って示さねばならない。
 これまで国としてのビジョンも示さず、結局は自治体に丸投げ、被災者の運命をなりゆきに任せてきたことで、不安を募らせ、地域を離れざるを得ない状態にまで追い込んできたことを猛省せねばならない。
 今回豪雨災害に見舞われ、まもなく冬場には雪の影響も受ける被災地に、安心して住み続けられる見通しを保証するため、住宅再建、基本インフラの復旧のビジョンを国が示し、
迅速な実現のため、国が予算を確保して国の責任で復旧を進めることを被災者すべてに対して総理自ら誓約すること。まずは早急な補正予算組みを求める。

2.商店やガソリンスタンド復旧・営業再開のため十分な財政支援を

地震と豪雨で営業再開の見通しが立たない店舗も多く、今回訪問した輪島市町野町で住民は地域での生活継続ができるのか心配している。
 「地元スーパー商店が営業再開できなければ、40分かけて車で買い物に行かなければいけない」と不安を語る被災者の声がある。ガソリンスタンドやスーパーは生活のためのインフラである。国が十分お金を出して復旧・営業再開をする。そのための予算を確保し、営業再開支援の方針をすぐにでも示してほしい。

3.プッシュ型支援を早急に。被害世帯に水、食事、携帯トイレ等必需品を

9月24日時点で珠洲市では1750戸断水、輪島市では3236戸断水(24日時点)と報じられている。多くの住宅が断水被害に見舞われるなか、上下水道がつながらず被災者にとって飲料水やトイレの確保が急務となっている。
 現場では飲料水や携帯トイレが足りていない。
 物資は足りていたとしても、それを住民に届ける仕組みがない。
 9月25日に訪問した町野町の100人近く暮らす仮設住宅団地には、携帯トイレの在庫は50個しかなかった。自衛隊による最低限の生活用水の給水支援はあっても飲料水は支給されていない。40分かけて遠方の商店に飲料水を買いに行く仮設住民もいる。
 食事支援に関しては避難所のみであり、仮設などはNPOの支援者が持ち込んだ食料品や炊き出しでなんとか食べつないでいる。
 被災した住宅で暮らすいわゆる「在宅避難者」には今回、豪雨で被災しているのにも関わらず、支援物資が届く仕組みがない。避難所に取りに行っても「ない」と帰された住民もいる。
 ・在宅避難者と仮設住宅入居者に対して、国の責任で炊き出しと入浴支援を実施することを求める。
 ・携帯トイレ、飲料水など断水世帯にとって生活に不可欠な物資や生きる上で必要な炊き出しを含め食料のプッシュ型支援を早急に再開、拡充するよう求める。
 ・トイレの確保については高齢者や障害者のニーズを踏まえ、必要な場所に必要な数、
車椅子利用者向けのトイレを設置することも求める。

4.物資の受け入れ等に関わる応援職員の増員を

 他方、ただ膨大な物資を送れば良い、ボランティアを大勢受け入れれば良いと言うことではない。調整役がいなければ回らない。
 今回訪問した輪島市町野では支所職員は3人しかいないと聞いている。これでは住民からの問い合わせなどに忙殺され、送られてくる物資を住民に受け取ってもらう仕組みなど構築できるはずもない。
 マンパワーが足りない状態では、物資が集まっても、仮設住宅や自宅などで被災された方々にまで物資が行き渡ることは考えられない。被災者の現状把握など到底無理であろう。調整などの作業はすべて社会福祉協議会に丸投げするというのだろうか。
 元日からの地震、今回の豪雨で心が折れそうになるのは住民だけではない。自治体職員も疲弊している。現場で様々な受け入れに当たる自治体職員の人員体制を増強するために、すぐにでも災害支援受け入れ実務経験のある国の職員を十分な数、豪雨で被災した自治体に派遣することを求める。

5.パッカー車を大量投入しゴミ出しに係る住民負担の軽減を

 被災地では豪雨被害で出たゴミを被災者自ら集積場に運ばなければいけない事態が生じ、住民が混乱している。
 集積所にゴミを運ぶため道路は渋滞し、車のない被災者はNPO等の支援に頼るほかない。2018年西日本豪雨の時にも国会質疑で再三、パッカー車(ゴミ収集車)を大量に投入するよう国に要請してきた。パッカー車が各戸を巡回して回収すれば、渋滞もなく、地震と豪雨の2重災害で苦しむ人々の苦労を軽減できる。
 分別は集積所で行うことを前提に、まずパッカー車を大量投入して、住民のゴミ出しに関わる負担を最大限軽減することを政府に求める。
 ここまで地震からの復旧が遅れ、脆弱な状態で大雨被害を受けることになったのは、政府が資金、人員、物資など十分なリソースをスピードを持って投入してこなかったことのツケである。政府には痛切な反省に立って、被災地にこれまでとは規模の異なるリソースをスピードを持って投入することを求める。
 なお本日の申し入れに間に合わなかったほかの提言については、
近日中に、申し入れを行う。

れいわ新選組


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