【文字起こし・字幕入り動画】 参議院議員 伊勢崎賢治(皇室典範等の一部を改正する法律案特別委員会 2026年7月15日)

伊勢崎賢治 
どうも。始めます。 
日本国憲法第98条第2項は、締結した条約の誠実な遵守を定めております。政府も国連に対し、この憲法を引用して、女子差別撤廃条約は既に国内法としての効力を持つと明言してきました。

しかし、皇室典範における女性排除について問われると、政府は条約の適用を拒む姿勢を維持しております。政府は、国連女子差別撤廃委員会に対して、皇室典範は歴史と伝統があり、同委員会が取り上げるのは適当ではないと主張してきました。 

外務省にお聞きします。 
自国の伝統を理由に皇室典範を女子差別撤廃条約の適用外又は審査対象外とすることができる国際法上又は条約上の明確な法的根拠はどこにありますか? 具体的にお答えください。 

大臣政務官(大西洋平) 
お答えを申し上げます。 
女子差別撤廃条約第1条は、同条約が撤廃の対象としている女子に対する差別について提言をしております。ここでいう女子に対する差別とは、性に基づく区別等により、女子の人権及び基本的自由を侵害するものを指すとされております。 

日本政府といたしましては、ここでいう人権及び基本的自由とは、いわゆる基本的人権を意味しており、皇位に就く資格はこれに含まれるものではないと解しております。 

したがいまして、皇室典範において、皇位継承資格が男系男子に限られていても女子の基本的人権が侵害されることにはならず、同条約第1条の女子に対する差別には該当しないため、同条約の対象にはならないものと考えております。 
以上です。 

伊勢崎賢治 
ところが、同条約は、男女の固定的役割分担に基づく偏見、今おっしゃられたように人権の話ですよね。それから慣習、これも入っています。慣習を是正することを締約国に求めております、これ。だから、皇室典範を審査対象から除外する規定はこの条約には存在しません。そう、僕は考えます。 


さらに、国際条約の基本ルールであるウィーン条約第27条はこう言っています。「当事国は、条約の不履行を正当化する根拠として自国の国内法を援用することはできない」と定めております。国内法である皇室典範や、いわゆる伝統を理由に条約上の義務を免れることは認められていません。これが僕の解釈です。たぶんこれは、一応、国連で働いた人間ですので、たぶん国際的な理解だと思います。 


しかも、日本は、1985年のこの条約批准のときに、ウィーン条約ですね、皇室典範に関する留保を一切行なっておりません。批准後に留保を追加する事後留保という考え方もありますけれども、これはその条約の全締約国の同意が必要であり、可能性として日本が今更認められる、日本の主張が認められる余地は現実的にはありません、たぶん。そう結論付けるのが真っ当だと思います。 


つまり、日本は、皇室典範を除外しないまま女子差別撤廃条約を自らの意思で受け入れたことになります。人権問題を内政干渉だとはねつける権威主義的な大国、どの国とは申しませんけれども、それはございますが、我が国は、法の司法を重んじ、国際社会で名誉ある地位を占めるよう、これが我が国の国是でありますから、それらの国と同じ次元の抗弁を用いることは断じてあってはならないと思います。 


だからこそ、かつて欧州の王室も伝統を理由に男系男子限定でありました。しかし、この条約の精神にのっとり、男女平等の長子優先へと自ら制度を改めました、ご案内のとおり。 


大臣、副大臣、重ねてお聞きします。 
日本政府の言う伝統とは、国際条約よりも優先される絶対的なものなのでしょうか? そうであるならば、その法的根拠を、国際法的な根拠をお示しください。 

大臣政務官(大西洋平) 
お答えを申し上げます。 
委員ご指摘の条約法に関するウィーン条約第27条は、条約の不履行を正当化する根拠として自国の国内法を援用することができない旨、規定したものでございます。 

先ほど申し述べたとおり、皇室典範におきまして皇位継承資格が男系男子に限定されていることは、女子差別撤廃条約で定められている女子に対する差別には該当せず、同条約の対象にはならないものと考えております。 

したがいまして、条約の履行との関係で問題があるというご指摘は、当方といたしましては当たらないと認識をしております。 
以上でございます。 

伊勢崎賢治 
皇室典範が国内法じゃないんですか?我が国の。そういう理解でよろしいんですか?そんなことはないでしょう。だから、ウィーン条約は適用されます、これは。よろしいでしょうか。 

たぶん、その辺の認識を新たにしてもらわないと、国際法との齟齬(そご)、抵触の問題はたぶんこのままずっと引きずったままです。お含みおきください。すみません。 


政府の、そういうこれまでの対外説明の論理はもう限界を超えているように思います、ここは。 

間近の2024年の10月、国連女子差別撤廃委員会から、皇位継承における男女平等を確保するために皇室典範を改正せよとの正式な勧告が突き付けられました。これに対し政府は、削除を求める正式な抗議文書、いわゆる口上書ですね、これ、我々の業界ではノート・ベルバル(Note verbale)と言うんですけれども、これを提出いたしました。 


しかし、国連はその要求を受け入れず、勧告は公式文書として確定してしまいました。 

それどころか、日本は現在、進捗状況の報告を求められる、国連から、フォローアップ手続き、これ、フォローアッププロシージャ(Follow-up Procedures)といいます、の対象に置かれております。  


政府が、国内向けに強く抗議したと国民に説明していても、国際社会の実務において、国際外交の実務においてその抗議は通用しません。通用をしておりません。日本は、今後もこの勧告に直面し続けることになります。ずっと続きます、これ。これは、もはや外交上の深刻な行き詰まりにほかならないと思いますが、官房長官、ご総括をお願いいたします。 

国務大臣(木原稔) 
委員のご指摘のように、令和6年の10月に、女子差別撤廃委員会から、我が国の女子差別撤廃条約の実施状況に対する最終見解というのが公表されたと承知しております。 

その最終見解において示されました、我が国への勧告のうち、その4項目については2年以内にフォローアップとして情報提供する事項として挙げられているところであります。 


これ、委員とちょっと認識が違うかもしれませんが、皇室典範に関する事項というのはフォローアップ事項となっておりませんので、その上で、最終見解の勧告については、現在、各府省において対応、検討をしているところでございまして、フォローアップ事項に関する委員会への情報提供、これについても適切に対応をして参りたいと考えております。 

伊勢崎賢治 
勧告は続きます、国連からのですね。 

この法案です。この問題の法案、これを成立させれば、更に国際社会からの、特に国連からの批判は将来にわたって固定化するでしょう。新たな勧告が来るはずです。 


私たちが深く敬愛する皇室を国際社会から疑問を呈され続ける立場に置き続けることは、私、国民の一人として耐えられません。問題は皇室にあるのではなく、政府の姿勢にあると思います。そのことを強く指摘し、質問を終わります。 
ありがとうございました。


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