【声明】C型肝炎救済特措法に反対する理由(れいわ新選組 2022年11月21日)

れいわ新選組は「C型肝炎救済特措法」改正案に反対しました。

改正案の「給付金の請求期限の延長」や「給付金引き上げ」には賛同するものの、特措法の期限を延長するだけでは、ほとんどの被害者を救済できないことは、過去2回の延長により救済された被害者の数を見れば明らかであり、本改正案では根本的な解決とはならないため、反対しました。

「C型肝炎救済特措法」は、出産や手術での大量出血などの際に特定の製剤を投与されたことにより、C型肝炎ウイルスに感染した方、またはその相続人に対し、症状に応じて給付金を支給するものです。
この法律は、C型肝炎訴訟において、製薬企業や国が責任を負うべき期間や製剤の種類等の判断が分かれたことから、感染被害者の製剤投与の時期を問わない早期・一律救済の要請にこたえるべく議員立法によって成立(2008年1月16日公布・施行)したもので、給付金の請求期限が来年1月16日に迫る中、期限を5年間延長するとともに、劇症肝炎等の死亡者に対する給付金を引き上げるものです。
それ自体は必要なことではあります。

いっぽう、本法の前文では、「人道的観点から、早急に感染被害者の方々を投与の時期を問わず一律に救済しなければならない」との理念が掲げられていますが、現実は、血液製剤の投与が判明した2万4832人(2021年7月厚生労働省発表)のうち、判決、和解等により救済されたのは2508人にとどまっています。

C型肝炎は、製剤投与から20年以上経ってから感染した事実が判明するケースが多く、被害に気付いた時には、医師法で定められたカルテの保存期間5年が経過しているため、立証できないケースが大半を占め、困難な施術を行った医師等に過大な負担をかける救済困難な法制度となっています。

カルテや医療関係者の証言の有無という本人の責任ではない要素のために救済されないのはあまりにも不合理な差別であり、被害者認定基準を緩和するとともに、訴訟によらず国との和解を成立させ、被害認定と給付を認める仕組みとするための法制度が必要です。

改めて本法の前文を引用します。
「フィブリノゲン製剤及び血液凝固第Ⅸ因子製剤にC型肝炎ウイルスが混入し、多くの方々が感染するという薬害事件が起き、感染被害者及びその遺族の方々は、長期にわたり、肉体的、精神的苦痛を強いられている。
政府は、感染被害者の方々に甚大な被害が生じ、その被害の拡大を防止し得なかったことについての責任を認め、感染被害者及びその遺族の方々に心からおわびすべきである。
さらに、今回の事件の反省を踏まえ、命の尊さを再認識し、医薬品による健康被害の再発防止に最善かつ最大の努力をしなければならない。
もとより、医薬品を供給する企業には、製品の安全性の確保等について最善の努力を尽くす責任があり、本件においては、そのような企業の責任が問われるものである。」

この法の精神に基づけば、政府と製薬会社の責任を問い、すべてのC型肝炎ウイルス感染者の被害回復を実現することが求められています。しかし、法成立から14年以上も経て、ごく少数の方しか被害回復できていないのは、根本的に政府の姿勢と被害回復の枠組みが誤っていると考えられます。

れいわ新選組は、この国で薬害の被害を繰り返さないための抜本的な対応を求めていきます。


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