本日の衆議院本会議において、GX推進法案が通過し、その同じ日の本会議でさらに問題の多いGX脱炭素電源法案も議論が始まりました。
れいわ新選組は3.11東電原発事故を教訓として、原発即時禁止の立場から、政府のGX推進法案・GX脱炭素電源法案に強く反対します。そして、党の公約である脱原発グリーン・ニューディールの実現を目指します。
GX推進法案とGX脱炭素電源法案(電気事業法等改正案)は、日本の衰退を決定付けるものであり、私たちはこの両法案の拙速な審議・採決について、野党が衆参両院で反対することを強く求めます。
GX推進法は、経済産業省に巨額の官民の資金の使い道を白紙委任し、それによって原子力事業や大規模炭素排出事業者の利権を維持し、原発や石炭火力発電所を推進するものです。さらに発行形態が決まっていない経済移行債や、投資先が不明瞭なまま20兆円が積み増されるグリーンイノベーション基金、先送りのカーボン・プライシング、国会の監視を逃れるためのGX推進機構など、まさに「問題のデパート」です。
また、原子力基本法など5つの改正案を束ねたGX電源法は、原発を最大限活用するために国民の理解促進や事業環境整備を「国の責務」とすると、堂々と謳っています。これは2011年の東電・福島原発事故以来、わが国が目指してきたはずの「原発依存の低下」に終止符を打ち、原発の推進に大転換する言語道断な内容です。原発の「安全神話」を二度と繰り返さないために、「推進」と「規制」を分離して安全規制行政を一元化したのが原子力規制委員会と規制庁の発足でした。ところが今回のGX電源法の束ね法案では、原発を推進する経済産業省が原子炉の運転規制の決定に権限を持つことになります。40年の運転制限を骨抜きにすると共に、60年超え運転も可能となる、世界に例のない危険な内容です。加えて、すでに破綻している核燃料サイクルや次世代革新炉の研究開発を今さら盛り込むなど、悪質極まりありません。
さらに、両法案は、経団連や連合など既得権益団体の代表者で構成された「GX実行会議」の議論をもとに作成されました。国民の声ではなく、既得権益団体の声ばかりを聞く、岸田政権の姿勢が明白にあらわれています。そもそも、日本のエネルギーや産業の将来はじめ持続可能な社会のあり方を決める重要な法案を、まとめて審議する「束ね法案」として出すこと自体、論外です。統一地方選挙の裏で、産業政策や原子力推進政策を所管する経産委員会だけで拙速に審議するのではなく、気候変動問題を含む幅広い観点から法案審査をするため、内閣、経産、環境、原子力特別委員会(衆議院)、資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会(参議院)の4委員会の委員を中心に構成する特別委員会を設置して、徹底的に議論するべきです。野党各党には脱原発・脱炭素を求める私たちの提案に賛同いただくよう強く期待いたします。
世界では過去数年で再生可能エネルギーや電気自動車へのシフトが急激に進んでおり、それらのコストも急激に低下しています。そして今後、脱炭素産業の世界市場は500兆円規模に成長すると見られています。しかし、日本はこの分野で大きく出遅れています。風力発電機や太陽光モジュールの世界トップ10に日本企業の名前はなく、電気自動車に至ってはトップ20にも入っていません。日本の基幹産業であったエネルギー設備産業や自動車産業が、急激に国際競争力を失っているのです。これは、政府や経済産業省をはじめとする省庁、そして経団連など旧来の大企業が既得権益を守るため、原発や化石燃料にしがみついて新技術の普及を阻んできた結果です。今回のGX法案は、脱炭素を実現できないだけでなく、この既得権益を固定化させ、日本の衰退を決定づけるものであり、絶対に許すことはできません。
れいわ新選組は、日本の自然環境と調和した再生可能エネルギーの開発と導入を加速させ、エネルギー自給率を高めるために、それを阻んできた原子力発電と化石燃料発電を助成対象から排除します。れいわ新選組が掲げる脱原発グリーン・ニューディールは、本物のグリーン産業に10年間で200兆円を投資し、全国津々浦々で、新たな産業と250万人の雇用を生み出すものです。これを実現させるために、私たちは今後も議会の内外で闘っていきます。
2023年3月30日
れいわ新選組