【声明】れいわ新選組はゲノム医療法案に反対し、ゲノム情報を理由とする差別防止の実効性を高めるために行動します(2023年6月1日 れいわ新選組)

れいわ新選組は、2023年6月1日に衆議院本会議において可決された議員立法「良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律案」(以下、「ゲノム医療法案」)に反対しました。

ゲノム情報を理由とする差別防止の実効性を高めた法整備を求め、参議院厚生労働委員会において修正案を提出する準備をしています。

近年、わたしたち人間のもつ遺伝情報に基づくゲノム医療が、がんなどに用いられています。ゲノム医療を望む誰もがその利益を等しく享受できる環境整備は重要です。一方で、遺伝情報・ゲノム情報の取り扱いについては、細心の注意を払う必要があります。
 
患者団体や医師会からも、ゲノム医療の推進とゲノム情報を理由とする差別の禁止を同時に規定することを求める要請があり、ゲノム医療法案が提出されました。しかし、差別の禁止や情報漏洩問題に対する具体的な禁止規定が設けられていません。さらに、この法案で推進する「ゲノム医療」の対象には、生命倫理の根幹にかかわる個人のもつ生殖細胞(卵子、精子)や胎児が含まれうるにもかかわらず、具体的な倫理規定や罰則規定も設けられていません。

かつてゲノム医療法案と同じ議員立法として制定された優生保護法では「不良な子孫の出生を防止」することが目的とされ、多くの障害者らが強制不妊手術の被害に遭いました。優生保護法による被害への総括と、優生思想からの脱却を成し遂げていない日本の現状において、ゲノム医療の名の下に、病気の原因遺伝子を改変し子を誕生させるなどの医療行為が、十分な規制もなしに施される危険性を払拭することができません。

ゲノム情報は、患者個人のみならずその子孫や家族などが不利益や差別を受ける可能性がある情報であり、それらに基づく不利益や差別は、すべての人やその家族が当事者となる問題です。ゲノム情報の漏洩や目的外使用を規制し、差別を禁止・防止する法整備に向けて、れいわ新選組は以下を求めます。

・ゲノム情報を理由とする差別禁止の明記。
・国と地方公共団体に差別防止施策を実施する責務、並びに医師や研究者、事業者に差別防止施策に協力するよう努める責務の規定。
・差別を受けた者の救済、生命倫理に配慮したゲノム医療の範囲の在り方の見直しなどを中立公正な立場でつかさどる独立行政委員会の設置。
・差別に関する罰則や、ゲノム情報の不正な取扱いに関する罰則などの整備。

病気や障害、遺伝情報やゲノム情報に基づく社会的不利益は、個人の課題ではなく社会の課題であるとの認識の下で、優生思想からの脱却とともに、これらの規定を含めた法整備に向けて、れいわ新選組は引き続き取り組んでまいります。
                                               

2023年6月1日
れいわ新選組


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