【声明】安全性検証と被害救済を置き去りにするな!予防接種法改正案に反対(れいわ新選組2026年6月30日)

本日、衆議院本会議において、RSウイルス抗体製剤(ベイフォータス)を予防接種法の対象に加える法律案が採決された。
与党の国会運営に抗議し、れいわ新選組を含む野党が欠席する中での強行的な採決であった。

ベイフォータスは、乳幼児のRSウイルス感染症の重症化を防ぐため、あらかじめ抗体を投与する医薬品である。今回の法改正は、予防接種法上の定義に「抗体製剤」を位置付け、公費によるベイフォータスの定期接種化を可能にするものである。

れいわ新選組は、経済的格差による医療アクセスの違いを解消し、子育て世帯や小児医療現場の負担を軽減しようとする政策目的そのものは深く共有する。

すでに重症化リスクの高い乳児には保険適用が確立している中、その他の乳幼児にも重症化予防をより確実なものとし、医療アクセスの格差をなくしていく重要性についても異論はない。

しかしながら、その制度設計や法制化のプロセスがあまりにも「拙速」であり、看過できない課題が存在する。

反対の理由は以下の3点である。

一つめは、安全性の検証と健康被害救済制度が機能していないということ。

れいわ新選組はワクチンを頭から否定しないからこそ、安全性監視と健康被害救済の徹底を一貫して求めてきた。

予防接種法の対象(A類疾病)となれば、RSウイルス抗体製剤の乳幼児への投与は、B型肝炎やBCGの予防接種と同様に、事実上すべての乳幼児を対象とする努力義務の適用が想定される。確実な安全性の監視と被害救済が求められる。

しかし現在、副反応疑い報告では、コロナワクチンの副反応事例を中心に重篤事例が「評価困難」とされ、健康被害救済制度では1,000件を超える未処理案件が常態化しており、被害救済が迅速に行われているとは言い難い。

地方自治体から国に書類が届いた後も、国による審査だけで半年から1年程度を要し、自治体側の事務手続きも含めれば、給付までに長期のタイムラグが生じている。

このように救済制度が機能不全に陥っている状態で、自ら症状を言葉で訴えられない乳幼児を対象に、努力義務を伴う定期接種を拡大することは極めて不誠実である。

厚労省の審議会においてすら、RSウイルス対策の議論において、専門家から「いきなり努力義務を伴うA類疾病にすることには賛同しかねる」「個人予防のB類ではないか」と、行政側の前のめりの姿勢に強い懸念が示されていた。

まず国は、救済制度の立て直しに全力で取り組むべきである。

二つめの理由は、中身なき法律を先行させる「国民への白紙委任要求」という、手続きの不備である。

本法案は、ワクチンとは仕組みが異なる「抗体製剤」を対象に加える枠組みだけを先行させ、中身は成立後に委ねる「白紙委任」となっている。

そもそも、具体的な対象製剤(ベイフォータス)を定期接種化するかどうかの実質的な判断は法案成立後の審議会に委ねられており、国民への意見募集(パブリックコメント)すら法律成立後に実施される。重要な制度設計について国民的な議論や合意形成を経る前に、まず法的枠組みだけを成立させようとしているのである。

乳幼児の入院リスクを減らすことは重要であり、だからこそ現場では現在も保険適用の下で慎重な運用が行われている。しかし、「対象となる乳幼児の範囲をどうするのか」「重症化リスク児に限定するのか、それとも健康な乳幼児全体を対象とするのか」「どの医療機関で実施するのか」といった制度の根幹に関わる事項は、法律成立前に示され、十分に議論されるべきである。

こうした実質的な議論を置き去りにしたまま立法を先行させ、一律導入の具体的中身や国民の意見聴取(パブリックコメント)を法案成立後の政省令に丸投げする進め方は、極めて拙速である。

三つめの反対理由は、先行施策の安全性検証がないまま「二重推進」となることを強く懸念するためだ。

本年4月には、同じRSウイルス対策として妊婦向けワクチン(アブリスボ)が定期接種化されたばかりである。

しかし審議会で指摘された通り、同ワクチンには海外の共同試験で早産を誘発する懸念が認められており、米国やフランスでは「妊娠32週以降」に限定するなど、日本(28週以降)よりもさらに慎重な接種制限が敷かれている。この先行施策について厚労省は、定期接種開始後の国内における副反応発生状況を「未集計のため示せない」としている。

同じRSウイルス対策で先行導入されたワクチンについて、国内データの客観的な検証や開示を行わない段階で、さらに「努力義務の適用」を想定した新たな製剤を重ねて導入する姿勢は、安全軽視の拙速な推進と言わざるを得ない。

子どもの命を守り、子育て世帯を支えるために、真に必要なのは、十分な合意なき定期接種の努力義務化ではない。小児医療体制や地域の子育て基盤への継続的な公的投資こそが求められている。れいわ新選組は、健康被害救済制度の立て直し、徹底した安全性検証、そして国民に対する丁寧な説明と合意形成を強く求める。

2026年6月30日
れいわ新選組


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